2017-01-01から1年間の記事一覧
ミニミニ・カノン・シリーズ、6度のカノン。音はこちら。 アルトから始まり、6度上でソプラノが追いかけます。バスは自由部です。これで、2度から7度まで出来たので、あと1度と8度で一応揃う。うーん、どうでもいい話だがやっぱりそろえないと気持ち悪いかな…
第二楽章は上からと下からと離れた音域から徐々に歩み寄ってきて始まる。そのあと、もろに協和的な三和音が出てくるところ。ただし、第一バイオリンのメロディーラインは原則的に協和音にはならず(青の○で囲んだ音だけ例外)第二バイオリン以下の和音を踏ま…
バルトークがベートーベン的完成を達成したといってよい第3番の弦楽四重奏曲であるが(異論はおありと思いますが)、いつもこの第2楽章の終り部分にくると、ここでこのモティーフ(g, g, fis, g)をもう少し積み重ねてフィニッシュしたい、というセンセーシ…
バルトークの弦楽四重奏第1番を聞いていると、ドビュッシーやラヴェルのフランス音楽と直接つながっているような印象を受けるところがある。例えば45小節目からの次の部分。音はこちら。 45-46小節目はほとんどモーダルであり、さらに一つ一つの和音…
もう師走である。もうすぐ冥途の旅の一里塚である。あーやだやだ。 その前にクリスマスがあるのが(異教のまつりではあるが)救いである。 大昔に作ったニフティサーブのクリスマス企画用のネタをサルベイジしてきた。楽譜をきちんと書いたのは今回初めてな…
「不機嫌な姫とブルックナー団」を読んだので、ブルックナー re-visited である。 大御所ワグナーにはウケがよかったのに初演がぼろぼろだったという第3番。確かにところどころワグナーを思わせるところもあるし、後のマーラーを予感させるところもあってな…
RavelのForlaneの続きです。9小節目からで、わかりやすくゆ~っくり弾いたものがこちら。 9小節目からは、まずEmの和音でスタートするものの、いきなり低音でC#のバスを鳴らします。これは将来的には18小節目にG#メジャーに解決しますが(下の譜例)、これは…
来年用の曲があったり、テルミンライブがあったりして間が空きましたが、しばらくぶりにカノンを書いてみました。完全4度のカノンです。アルトが(ちょっと低いですが)Gから始まり、ソプラノがCで追いかけます。バスは自由声部です。音はこちら。 短いもの…
ラヴェルの「クープランの墓」は毎度言っているが、ラヴェルがこの曲のために丸々一つの和声体系を編み出しちゃったといった趣がある。 特にForlaneについては、以前最初の4小節だけ紹介したつもりになっていたが、まぼろしだったみたいだ。(でも楽譜のファ…
シューマンの譜割というか、ポリリズムというか。 ピアノ協奏曲の次の部分だが、譜面を追わずに聞いている一聴衆としては、耳がどうしても和声の切り替わる点を拍の頭と捉えてしまうので、赤で示したように、一拍ずれて二分の3拍子として認識してしまう。青…
喫茶店でのテルミン・ライブで、有名なネスカフェのコマーシャルの「だばだー」をやってみようということになり、コピーしてみた。こんな感じ。音はこちら。 コマーシャル音楽の手練である八木正夫さんの傑作である。バロック風で、しかもキャッチー。さすが…
現代音楽にしても、別に何の予備知識もなしに聞いてもらったってかまわないのではあるが、そこはそれ、ベートーヴェンからワーグナー、ドビュッシー、ラヴェル、バルトークを経て、ストラヴィンスキーにショスタコーヴィチという西洋音楽の文脈を知った上で…
洗足学園音楽大学演奏会実習曽我部ゼミ「宗教改革500周年記念」特別演奏会 2017年10月13日 霊南坂教会(東京 赤坂)の録画をYouTubeにて公開しました。1. ルター/神は我がやぐら (トランペット・ソロ)https://youtu.be/efNVd1RwPEs2. ミヒャエル・プレト…
もともとこの部分は気になっていたんですが、何が気になるのかがわからなかったのできっちりスコアを勉強させていただきました。(尊敬の眼差し>プロコフィエフさん) 第一楽章の主部の終りとその再現ですが、まず主部の終わりの部分。音はこちら。 3-4小…
前から、オルガンのパイプの長さが4とか8とかはともかく、2' 2/3とか半端なのがあって、おそらく5度とかなんだろうなぁと思いつつ、よくわからないままにしていたので、整理。 32、16、8、4 とかは2倍の関係だからオクターブだろうとは思われるが、それ以…
ムソルグスキーの音楽も創意工夫に満ちており、有名な「展覧会の絵」もカラフルな和声に満ちている。 終楽章の「キエフの大門」の終わりのところを見てみたい。 変イ短調のコラールのあと、①とした部分が実に魅惑的である。Fm7b5とFbM7(=EM7)が交代に現れる…
ショスタコーヴィチの交響曲ではおそらくもっともよく知られた曲だと思う。最終楽章は、ニ短調で始まって、最後はニ長調で輝かしく締めるのだが、この最後の部分の和声構造を見てみたい。音はこちら。 音楽はもう第4コーナーをまわっており、最後の全終止に…
代々木上原のムジカーザでのハープソロリサイタル。世界初演を2曲含む、バリバリの現代音楽プログラムである。にもかかわらず、ハコは狭いが大盛況。 ハープが、奏者(小柄なのに)と一体となってよく鳴る。そうだよね。ハープってのはアルペジオをするよう…
2度のカノン。アルトからスタートして、一小節遅れてソプラノが追いかけます。バスは自由声部で3声。音はこちら。 バッハのゴールトベルク変奏曲同様、冒頭はアルトが伸ばしている主音に二度上のソプラノが重なって、アルトが掛留になる形を踏襲しました。 …
5度の反行カノンに挑戦したのはいいのだが、挑戦しただけみたいな(´д`|||) 前半はアルトのテーマを一小節遅れでソプラノが模倣。後半は、2小節遅れで模倣します。結論:反行カノンって難しい。音はこちら。(追記:ちょっと修正しました。14小節目の頭を強…
大バッハのゴールドベルク変奏曲に影響されて、7度に続いて今度は3度のカノンを書いてみました。あんまりうまくない。ああでもないこうでもないとやってみるとバッハの偉大さが身に沁みます。音はこちら。テーマはアルトから出て、2小節後に3度上でソプラノ…
ブラームスの弦楽六重奏曲第一番の第3楽章の中間部(トリオ)。 主部がAllegro moltoの指定で、トリオはAnimatoになっている。この真ん中の部分がはっちゃけていて好きである。 へ長調からフォルティッシモでハ長調になり4音の音階をあがるフレーズを繰り返…
8/14(月)"Special Gig! in satin doll"を聞いてきましたので、メモ書きです。 Johan clement (P)(ヨハン クレメント)Bart De Nolf ( B)(バート デ ノルフ)Luc Vanden Bosch(Ds)(ルク ファンデンボス)千景(Vo)Eliko (Fl) 最初にフルートをフィーチャーしたLa …
バッハの7度のカノンを勉強したので、自分でも書いてみようと思い立った。一応できましたがね。いろいろこれも勉強になりました。音はこちら。PDF版も一応こちらにおいておきます。 3声で、アルトが先行し、ソプラノが7度上で同じ音形を繰り返します。バス…
7度のカノン。どうやったらこういうものが書けるのかは謎だが、はっきり譜面に記されている以上、分析することは可能である。 3声で、上二声がカノンになっており、バスがついている。バスの半音下降に伴うハーモニーの移ろいが美しい。楽譜中、rは掛留音、…
間違い探しです。 次の楽譜はバッハの平均律クラヴィーア曲集第一集の cis moll のpreludeの最後の8小節ですが、間違った音符が30くらい含まれています。さてどこが間違っているでしょう。音はこちら。オリジナルの楽譜は春秋社の1976年版を使いました。
ハープの話になって思い出したのがこの曲である。冒頭、ハープのnon arpeggio の4つ打ちから始まる。スコアを見ていて、ハープが効果的に使われているなぁと思っていたら、284小節目からの4小節は相当厳しいのではないかと思った。 楽器の数が少ないので、e…
プロコフィエフの調性の自由自在な扱い方は作品群の随所に見られるが、非常によく知られた代表的な例として「ピーターと狼」の冒頭部分(ピーターの主題)を見てみたい。音はこちら。 最初の2小節は伸びやかなハ長調で何事も起きないかのように思われるのに…
稲垣潤一さんがデュエット・カバーアルバム「男と女」で、小野リサさんとともに荒井(松任谷)由実さんの「ひこうき雲」にチャレンジしておられます。 ボサノバに仕立ててあって、極めて軽くなっていて大変面白いのですが、ほのぼのとreharmoniozationが施さ…
ヒンデミットのヴァイオリン・コンチェルトの第二楽章の途中である。どうでもいい話だが、このソロヴァイオリンのパートも覚えにくそうだなぁ(笑)この部分はちょっとだけ、ヒンデミットの手のうちが見えるように思うので取り上げてみた。 ソロヴァイオリン…