2018-06-01から1ヶ月間の記事一覧
ここのダイナミクスは悩むところですね。手書き稿の二段目、1小節目にフォルテ、なぜか4小節目にピアノの指定がある。5小節目にピアノならまだわかるのだが。しかも右手は明らかに4小節目にピアノが書いてあるが、左手は小節の最後にかかっていて、かなら…
モーツァルトにケチつけ、その2。 ヘ長調のピアノソナタK280の第一楽章だが、これもモーツァルトの耳がよすぎるせいなのではないかと思うのだが…17小節目から(音はこちら)。 19小節目、21小節目の赤で囲んだ部分が気になる。とりあえず4声体にして、適当…
超有名なフランクのヴァイオリンソナタ。第一楽章の第二主題。そもそも第一主題はさらっとした9度の和音の分散和音。第二主題は少々手がこんでいる。 要は、繰り返される赤枠で囲んだ和声進行が発明である。V7から長三度下の長三和音の第一転回形にバスを動…
奥泉光さんの「鳥類学者のファンタジア」は大変面白いファンタジー小説である。 音楽も物語の主要なテーマであり(ちょっとネタバレだが)「オルフェウスの音階」という一種の音列が登場する。 これは弦なり板なりの発音体の長さをフィボナッチ数列に従って…
吉田秀和さんの「モーツァルト」の中で、モーツァルトにおける「バッハ前」「バッハ後」という話があって、K333とK533を比較している。どちらも第2楽章に出てくる対位法的な部分なのだが、まずK333の方。 吉田さんも書いているが、ここではモーツァルトが自…
中川俊郎先生60歳のバースデー・コンサートにて初演された中川先生ご自身の新作「ut re ut fa mi によるパッサカリア」ですが、当日のプログラム表紙に冒頭部分の楽譜があり「これは不採用分です」ということではありましたが、曲を聴く限り冒頭部分はほぼこ…