Jun Yamamoto 音楽を語る

クラシックのおいしいところをつまみぐい http://jun.la.coocan.jp

芸術を楽しむにも最低限のリテラシーは必要なんじゃないか、という話。

現代音楽にしても、別に何の予備知識もなしに聞いてもらったってかまわないのではあるが、そこはそれ、ベートーヴェンからワーグナー、ドビュッシー、ラヴェル、バルトークを経て、ストラヴィンスキーにショスタコーヴィチという西洋音楽の文脈を知った上で…

「ルターの『神は我がやぐら』によるパラフレーズ」初演の模様を公開しました。

洗足学園音楽大学演奏会実習曽我部ゼミ「宗教改革500周年記念」特別演奏会 2017年10月13日 霊南坂教会(東京 赤坂)の録画をYouTubeにて公開しました。1. ルター/神は我がやぐら (トランペット・ソロ)https://youtu.be/efNVd1RwPEs2. ミヒャエル・プレト…

Prokofiev Symphony No.1 Movt. 1

もともとこの部分は気になっていたんですが、何が気になるのかがわからなかったのできっちりスコアを勉強させていただきました。(尊敬の眼差し>プロコフィエフさん) 第一楽章の主部の終りとその再現ですが、まず主部の終わりの部分。音はこちら。 3-4小…

(備忘)オルガンのパイプの長さについて

前から、オルガンのパイプの長さが4とか8とかはともかく、2' 2/3とか半端なのがあって、おそらく5度とかなんだろうなぁと思いつつ、よくわからないままにしていたので、整理。 32、16、8、4 とかは2倍の関係だからオクターブだろうとは思われるが、それ以…

Mussorgsky "Pictures at an Exhibition" Last Movt.

ムソルグスキーの音楽も創意工夫に満ちており、有名な「展覧会の絵」もカラフルな和声に満ちている。 終楽章の「キエフの大門」の終わりのところを見てみたい。 変イ短調のコラールのあと、①とした部分が実に魅惑的である。Fm7b5とFbM7(=EM7)が交代に現れる…

Shostakovich Symphony No.5 Movt.4

ショスタコーヴィチの交響曲ではおそらくもっともよく知られた曲だと思う。最終楽章は、ニ短調で始まって、最後はニ長調で輝かしく締めるのだが、この最後の部分の和声構造を見てみたい。音はこちら。 音楽はもう第4コーナーをまわっており、最後の全終止に…

鈴木真希子ハープソロリサイタル 2017

代々木上原のムジカーザでのハープソロリサイタル。世界初演を2曲含む、バリバリの現代音楽プログラムである。にもかかわらず、ハコは狭いが大盛況。 ハープが、奏者(小柄なのに)と一体となってよく鳴る。そうだよね。ハープってのはアルペジオをするよう…

Canon at 2nd

2度のカノン。アルトからスタートして、一小節遅れてソプラノが追いかけます。バスは自由声部で3声。音はこちら。 バッハのゴールトベルク変奏曲同様、冒頭はアルトが伸ばしている主音に二度上のソプラノが重なって、アルトが掛留になる形を踏襲しました。 …

Canon at 5th by inversion

5度の反行カノンに挑戦したのはいいのだが、挑戦しただけみたいな(´д`|||) 前半はアルトのテーマを一小節遅れでソプラノが模倣。後半は、2小節遅れで模倣します。結論:反行カノンって難しい。音はこちら。(追記:ちょっと修正しました。14小節目の頭を強…

Canon at 3rd

大バッハのゴールドベルク変奏曲に影響されて、7度に続いて今度は3度のカノンを書いてみました。あんまりうまくない。ああでもないこうでもないとやってみるとバッハの偉大さが身に沁みます。音はこちら。テーマはアルトから出て、2小節後に3度上でソプラノ…

Brahms String Sextet No. 1 Movt. 3

ブラームスの弦楽六重奏曲第一番の第3楽章の中間部(トリオ)。 主部がAllegro moltoの指定で、トリオはAnimatoになっている。この真ん中の部分がはっちゃけていて好きである。 へ長調からフォルティッシモでハ長調になり4音の音階をあがるフレーズを繰り返…

8/14(月)Special Gig! in satin doll

8/14(月)"Special Gig! in satin doll"を聞いてきましたので、メモ書きです。 Johan clement (P)(ヨハン クレメント)Bart De Nolf ( B)(バート デ ノルフ)Luc Vanden Bosch(Ds)(ルク ファンデンボス)千景(Vo)Eliko (Fl) 最初にフルートをフィーチャーしたLa …

Canon at 7th

バッハの7度のカノンを勉強したので、自分でも書いてみようと思い立った。一応できましたがね。いろいろこれも勉強になりました。音はこちら。PDF版も一応こちらにおいておきます。 3声で、アルトが先行し、ソプラノが7度上で同じ音形を繰り返します。バス…

Bach Goldberg Variations 21. Canon at the Seventh

7度のカノン。どうやったらこういうものが書けるのかは謎だが、はっきり譜面に記されている以上、分析することは可能である。 3声で、上二声がカノンになっており、バスがついている。バスの半音下降に伴うハーモニーの移ろいが美しい。楽譜中、rは掛留音、…

間違い探し Bach Well-Tempered Klavier I-4 Prelude

間違い探しです。 次の楽譜はバッハの平均律クラヴィーア曲集第一集の cis moll のpreludeの最後の8小節ですが、間違った音符が30くらい含まれています。さてどこが間違っているでしょう。音はこちら。オリジナルの楽譜は春秋社の1976年版を使いました。

Bartok Violin Concerto No.2 Movt. 1

ハープの話になって思い出したのがこの曲である。冒頭、ハープのnon arpeggio の4つ打ちから始まる。スコアを見ていて、ハープが効果的に使われているなぁと思っていたら、284小節目からの4小節は相当厳しいのではないかと思った。 楽器の数が少ないので、e…

Prokofiev "Peter and the Wolf"

プロコフィエフの調性の自由自在な扱い方は作品群の随所に見られるが、非常によく知られた代表的な例として「ピーターと狼」の冒頭部分(ピーターの主題)を見てみたい。音はこちら。 最初の2小節は伸びやかなハ長調で何事も起きないかのように思われるのに…

Yumi Arai (Matsutoya) "Hikouki-gumo" ひこうき雲 Reharmonized

稲垣潤一さんがデュエット・カバーアルバム「男と女」で、小野リサさんとともに荒井(松任谷)由実さんの「ひこうき雲」にチャレンジしておられます。 ボサノバに仕立ててあって、極めて軽くなっていて大変面白いのですが、ほのぼのとreharmoniozationが施さ…

Hindemith Violin Concerto Movt.2

ヒンデミットのヴァイオリン・コンチェルトの第二楽章の途中である。どうでもいい話だが、このソロヴァイオリンのパートも覚えにくそうだなぁ(笑)この部分はちょっとだけ、ヒンデミットの手のうちが見えるように思うので取り上げてみた。 ソロヴァイオリン…

Mozart String Quartet No.15 d moll KV421 Movt. 4

モーツァルトは奇跡のような曲をたくさん遺しているので、奇跡的だと騒いでも仕方ないのだが、この曲もひとつの奇跡のように思う。なかんずく、終楽章はかわいらしい奇跡である。そうとは書いていないが、8分の6のシチリアーナによる変奏曲。譜例に示したの…

MYM(Masochistic Yellow Medicine) Live at 横浜 Hey-Joe

夕べは、このライヴを聞きに行きました。 日程:2017年6月3日(土)会場:横浜 Hey joeMasochistic Yello Medicine (MYM)Reddyo(Vo & Voice)稗田 麻実(Pf)成川 正憲(Gt)西村 雄介(Ba)山崎 彰(Dr) 以前、自由が丘マルディグラで聞いたときと…

Dvorak Symphony No.9 "From the New World" Movt. 2

超有名曲であるし、アナリーゼもあるのだろうが、自分で参加することに意義がある、というオリンピック精神の下(?)やってみた。 スコアは、臨時記号のつけ方についてあまり統一がとれていない。最大公約数をとって略式のピアノリダクションを作ってみた。…

Mozart String Quintet No.5 KV593 Movt. 4

ハイメラン=アウリッヒ(中野吉郎・訳)クヮルテットのたのしみ(アカデミア・ミュージック)に付録2として訳者の中野さんの文章がついている。 ヨハン・トストという1755年生まれの音楽愛好家が、WAモーツァルトの弦楽五重奏に勝手な変更を加え、170年…

Oración del músico (音楽家の祈り)

コロンビアのミュージシャン、DIEGO GALÉ氏のFacebookの書き込みにあった、Oración del músicoを、Google翻訳に手伝ってもらって英訳しました。 8行目のdiscipline以下のところがもうひとつよくわからないが、これは音楽家としては普遍的な祈りであろうと思…

「ドクターX~外科医大門未知子」のテーマ オーケストラ編曲版

TVドラマ「ドクターX~外科医大門未知子」のテーマをオーケストラにアレンジしたものです。 なにしろ病院には縁が深いものですから、いつも興味深く拝見してます。権力争いと「御意」軍団はどこの会社でも見られることで、そういう意味では普遍的なドラマ。…

「3つのアラベスク~弦楽四重奏のための」初演 5月25日(木)19時開演 JFCアンデパンダン展 すみだトリフォニー小ホール

山本 準作曲「3つのアラベスク~弦楽四重奏のための」が初演されます。 5月25日(木)19時開演 JFCアンデパンダン展 すみだトリフォニー小ホールです。 山本 準 作品公開演奏 今後の予定 ●「曽我部清典×直井紀和トランペット・トロンボーンデュオvol. 1」 2…

バイエル修了程度で(おそらく)弾けるベルリオーズ「断頭台への行進」 Berlioz Symphony Fantastique Movt. 4 "Marshe au Supplice" 2 hands-piano

ベルリオーズの音楽は非常にストレートなので、代表作である幻想交響曲も、単純化さえすれば、ピアノでその骨格をなぞることはそれほど難しくはないのではないか、と思って第4楽章の「断頭台への行進」をピアノ編曲してみた。 あの疲れを知らないリストが、…

Tchaikovsky Symphonic Fantasia "Francesca da Rimini"

Tフランチェスカ・ダ・リミニの第一部、大盛り上がりのところに出てくる木管主体のパッセージ。この手のテクスチュアを伴う木管の速いパッセージはワーグナーにもR・シュトラウスにも出てきますが、仕掛けはだいたい同じように思います。 チャイコフスキーの…

Chopin Piano Sonata No.2 Movt. 4

ショパンの葬送行進曲を含む有名なソナタの第4楽章。両手のユニゾンで、速いし4ページしかないし、あっという間に終わってしまい、ソナタの終楽章としてはいかがなものか、と思わざるを得ない。 Wikipediaには「両手のユニゾンが最初から終末間際まで続き、…

Sibelius Symphony No.3 Movt. 3

シベリウスの第3交響曲の第3楽章。練習番号8の手前のところ。ほぼ全員で8分音符3つのモチーフを繰り返しながら上がっていくところなのだが、ちょっと変わった響きを持っている。 上の譜例(音はこちら)の10小節目だが、Gb になっている。ここの和音はCの保…