Jun Yamamoto音楽を語る

Jun Yamamoto 音楽を語る

クラシックのおいしいところをつまみぐい https://jun-yamamoto.wixsite.com/jun-yamamoto

Chopin Fantaisie-Impromptu op.66

2024年3月2日の「題名のない音楽会」で小林愛美さんがショパンの幻想即興曲作品66を弾いておられて、あっと思ったのである。最近はこっちが正になったのか。(上が今日聞いた版。下が私が覚えている旧来版ブライトコプフ)しかし、60小節目は下の譜面で弾い…

Bartok Piano Concerto No. 3 2nd Movt.

バルトークのピアノ協奏曲第3番第二楽章で、もっとも緊張度の高まる部分だけど、たいして複雑なことをしてるわけではないのだが、効果的です。

Beethoven Symphony No.6 "Pastral"

ベートーベン先生のむりやりな転調。第3楽章から。 同じく、その2。第5楽章から。

R=Strauss "Don Quixote"

二つに分かれて、一方は半音で上昇し、一方は通常の解決をする属七の第七音。

Schoenberg "Verklärte Nacht" Op.4

シェーンベルクの「浄められた夜」でもっとも印象的な増三和音。 KM先生に教えていただいた、ベートーベンにおける第3音上の属和音使用の先行例。

Ravel "Scarbo" from "Gaspard de la nuit"

Ravelのスカルボの35小節目。メロディの二拍目はEで、左手も二拍めまでEなのに、突然3拍目以降がE#になるのがどうしても解せない。メロディはD#のフリジアン。このEがE#になるタイミングと声部がどうしても気になる。 C#7に持っていくにしてもせめてもう少し…

オーケストラ・プロジェクト2023 東京オペラシティ コンサートホールにて、山本準『ディナミカ・インプルシヴァ~オーケストラのための~』初演予定

今年のオーケストラ・プロジェクトは東京オペラシティ コンサートホールにて、山本準の『ディナミカ・インプルシヴァ~オーケストラのための~』が初演です! オーケストラ・プロジェクト 2023「リゲティ生誕100年、ラフマニノフ生誕150年、ロマンの断絶を超…

Richard=Strauss Violin Sonata op.18 Movt. 2

リヒャルト=シュトラウスのヴァイオリンソナタ作品18は、第二楽章のこの部分をどのくらいいやらしくルバートするかで、演奏の質が違ってくる。

冒険者たち(Les Aventuriers)1967 のテーマ

冒険者たち(Les Aventuriers)は小学生の時にみて、強烈な印象を受けました。当時、ピアノの練習はそっちのけで、歌謡曲などの自己流ピアノに邁進していた私は、ほとんどの曲はドミソ、レファラ、ミソシ…シレファ、ときにはミソ#シの和音で伴奏できること…

TVドラマ「合理的にあり得ない」テーマ

このテーマ音楽は実にキャッチ―です。ほんのちょっとの間、属調に転調するだけなんですが、大変効果的です。作者は音楽担当の眞鍋昭大さんですよね?

Chopin Scherzo No.3

Meno mossoから後の、キラキラした加工音型。上段はただ、分散和音を両手のユニゾンにしたもので、下段がショパンのオリジナル。右手だけに○印の部分倚音ないし経過音を配してキラキラ感を出している。ちょっとしたことなんだけど、効果絶大のショパンマジッ…

Beethoven Piano Concerto No. 4 Movt. 2

減七和音の連続にすぎないのだが、ベートーベンにしては(失礼)繊細な進行。

Jun Yamamoto/ "Ruins/Dusk/Shadows" for Piano and Max

動画が公開になりました。日本の作曲家2022 世の終わりに寄せて-メシアン没後30周年-第1夜 acoustics の拡張 2022年10月31日(月)東京オペラシティリサイタルホール から山本 準「廃墟/薄暮/影」 ピアノとMAXのための大崎 結真(Pf)北爪 裕道(エレク…

Jun Yamamoto Digamma for Orchestra-Video is now available on YouTube

山本準作曲「ディガンマ~オーケストラのための」の動画がYouTubeで公開されましたのでお知らせします。 演奏は山下一史指揮、愛知室内オーケストラ、昨年(2022年)11月2日にサントリーホール大ホールで行われました。初演です。 youtu.be

Mahler Symphony No.4 Movt. 3

マーラーの第4交響曲。第3楽章、練習番号7の直前の第二ヴァイオリンとヴィオラ、F# E D# C# B A と降りてくるところ、伴奏はB#を含んでいるけれども明らかにAmの和音であるだけに F# E D C B A でないところが、調性をあいまいにしていますね。

Haydn String Quartet in D major, Hob.III:63 Movt. 1

和声的に興味深い、ハイドンの弦楽四重奏「ひばり」"Lark"からのパッセージ。

BoA メリクリ

某氏に指摘された、BoAさんの「メリクリ」(2004)の転調問題。サビの「ずっと~ずっと~」に入る直前のコード進行だが、 主部はキーGbで、Db Eb Ab と動いてサビのAbメジャーに転調する。 ここがトリッキーに聞こえるのは、Dbが主調の属和音であるのに対し…

全作初演演奏会のお知らせです。

全作初演演奏会のお知らせです。 2023年1月20日(金)開演18:30台東区生涯学習センター ミレニアムホール 日本音楽集団 PRO MUSIC NIPPONIA 第238回定期演奏会 日本作曲家協議会(JFC)共催企画「作曲家との火花」にて ​山本準/「いざ出でむ雪見にころぶ所ま…

愛知室内オーケストラによる新作初演のアナウンスが出ましたのでお知らせします

愛知室内オーケストラによる新作初演のアナウンスが出ましたのでお知らせします。 2022年11月2日[水]18:45開演​サントリーホール 大ホール特別演奏会指揮:山下一史 オーケストラ・プロジェクト for Chamber Orchestra (プログラム) 山本準:ディガンマ…

J. S. Bach Well-Tempered Klavier Book 1. Fugue h moll BWV869

このフーガは大変複雑である。テーマからしてすべて倚音とその解決の組み合わせになっている。 この答唱が、本来属調で、5度高く(4度低く)出て、冒頭二つの音については変応し、終結部も原調に戻るために変化するのはいいとして、途中から4度高く(5度低く…

Saint-Saëns Piano Concerto No.5, Op.103 Movt. 2

サン=サーンスのピアノ協奏曲第5番「エジプト」の第二楽章で、ピアノがフシギな音で演奏するところ。長三和音を平行移動させているだけなのだけれど、左手の根音をmfにして、右手の倍音部分をppにしてあるので、ピアノじゃないような音がする。 【追記】これ…

Grown-up Christmas List by David Foster

David Fosterの "Grown-up Christmas List"ですが、原調はDbメジャー。ころころ転調して目がちかちかするので半音下げさせてもらいました。これで臨時記号5つまでに納まる。(笑)。 テルミン・バージョンがこちら。 youtu.be

ラジオ体操第一 Radio Calisthenics Number One

毎日繰り返されるラジオ体操。特に第一番のこの部分は許しがたい。 コードC(IV度)を保持しながらトップが h > a と動くのが無理な上に、a の部分は a e a という空虚な和音でつながり無視も甚だしい。これはいけません。 せめて、赤枠部分を Am とし、hを9…

J.S. Bach Well-Tempered Klavier book 1 E dur Fugue

バッハの平均律クラヴィーア曲集第1巻、ホ長調のフーガである。Sが主唱、Rが答唱、rは掛留音、pは経過音である。あとは簡易的にコードネームを付した。大バッハがすごいのはこの自由さである。

米津玄師「感電」Kenshi Yonezu "Kanden"

TBSテレビ金曜ドラマ『MIU404』の主題歌「感電」の後半部分、「肺に睡蓮、遠くのサイレン」の部分の「時空のゆがみ感」はどうなっているのか。微妙な音遣いなので楽器meとも意見があわないのだが、おおよそこんな感じかな。 Ab7 B7 | E7 A7 | E Eb7 | Abm - …

Saint-Saëns Carnaval of Animals "Aquarium"

動物の謝肉祭の「水族館」。これもアイデア一発の曲なのですが、そのアイデアが美しい。和声的には数パターン、旋法性のある音遣い。 Am B7(b5) Am B7(b5) Am Dm というパターンとその最後が Dになったパターン 次にこれの変形で Am B7(b5) Am Fm/Ab G A7(b5…

Saint-Saëns Carnaval of Animals "Elephant"

サン=サーンスの動物の謝肉祭はさらっと書かれているところが魅力である。この「象」にしてもほんとうにさらっと書かれた感が強い。 練習番号3の前2小節、C♭(B)のバスの上にB7を載せてごく自然にBb7に達し、続いてEbの四六の和音につながる。思わずうなら…

スケールの反転について

反転カノンを書いているうちに気が付いたことがある。こんなことは先達はとっくに気が付いているのだろうが…ダイアトニックな反転は割合簡単な話でスケールの開始位置はずれるが、調性は(平行調の問題を除けば)保たれる。一方、クロマティックに反転すると…

Yamamoto "6 Retrograde Canons" performed by Christian Clavère

フランスのヴァイオリニスト、Christian Clavère氏が、拙作「6つの逆行カノン」(6 Retrograde Canons)を演奏してくださいました。オリジナルには一切のダイナミクス、アーティキュレーションを付していないのですが、誠に適切な解釈を施していただきました。…

J. S. Bach Retrograde Canon from "A Musical Offering"

大バッハの音楽の捧げものの最初の方に出てくる逆行カノンである。同じものを最初からと最後から逆に演奏したものを合わせると調和した一曲になるというものなのだが、奇跡の19小節といってよい。次の楽譜は上段が順行、下段がおなじ旋律を終わりから逆行し…