Jun Yamamoto 音楽を語る

クラシックのおいしいところをつまみぐい http://jun.la.coocan.jp

Berg Piano Sonata op. 1

ベルクがシェーンベルクに師事して、一種の卒業作品として書いた一楽章のピアノソナタだが、あらためて譜面を見るとその異様さに気づく。 ダイナミクスとテンポの変化がきめ細かく記されている上に、アクセント記号、スフォルツァンドの書き分け、それと5-6…

中川俊郎先生の超作曲講座を勝手に受講してみる

中川俊郎先生(@t_nakagawa_jscm) の超作曲講座。Twitter から勝手に転載させていただきます。 ============================================= ●素早く上達する作曲教室〔その1〕。(1) まずあなたが生理的に受けつけない、自分の曲だったら金輪際使わない…

音楽。生演奏と録音と打ち込みとインターネットと。

以前、友達の友達くらいのジャズピアニストの方が「CDなんて(録音なんて)音楽ではない。音楽は、ライブで聴いてはじめて意味がある」という趣旨のことをおっしゃっていて「じゃああなたのCDはナンなのか」と聞きたいところだったがそれはともかく… 作…

Mozart String Quintet g moll K516 Movt. 3

モーツァルト、K516、g mollのクインテット、第3楽章、14小節目。なんか気になる。第2ヴィオラのgと第2ヴァイオリンのgesが同時に鳴った上、gはaに上がるのだがチェロのfにつながって聞こえるのもうまくない。gをgis にするか、b a g a ではなくb a b cにし…

Mozart Piano Sonata K281 Movt. 2

ここのダイナミクスは悩むところですね。手書き稿の二段目、1小節目にフォルテ、なぜか4小節目にピアノの指定がある。5小節目にピアノならまだわかるのだが。しかも右手は明らかに4小節目にピアノが書いてあるが、左手は小節の最後にかかっていて、かなら…

Mozart Piano Sonata K280 F dur Movt. 1

モーツァルトにケチつけ、その2。 ヘ長調のピアノソナタK280の第一楽章だが、これもモーツァルトの耳がよすぎるせいなのではないかと思うのだが…17小節目から(音はこちら)。 19小節目、21小節目の赤で囲んだ部分が気になる。とりあえず4声体にして、適当…

Franck Violin Sonata 1st Movt.

超有名なフランクのヴァイオリンソナタ。第一楽章の第二主題。そもそも第一主題はさらっとした9度の和音の分散和音。第二主題は少々手がこんでいる。 要は、繰り返される赤枠で囲んだ和声進行が発明である。V7から長三度下の長三和音の第一転回形にバスを動…

The Scale of Orpheus (奥泉光「鳥類学者のファンタジア」から)

奥泉光さんの「鳥類学者のファンタジア」は大変面白いファンタジー小説である。 音楽も物語の主要なテーマであり(ちょっとネタバレだが)「オルフェウスの音階」という一種の音列が登場する。 これは弦なり板なりの発音体の長さをフィボナッチ数列に従って…

Mozart Piano Sonatas K333 and K533

吉田秀和さんの「モーツァルト」の中で、モーツァルトにおける「バッハ前」「バッハ後」という話があって、K333とK533を比較している。どちらも第2楽章に出てくる対位法的な部分なのだが、まずK333の方。 吉田さんも書いているが、ここではモーツァルトが自…

Toshio Nakagawa "Passacaglia per ut re ut fa mi"

中川俊郎先生60歳のバースデー・コンサートにて初演された中川先生ご自身の新作「ut re ut fa mi によるパッサカリア」ですが、当日のプログラム表紙に冒頭部分の楽譜があり「これは不採用分です」ということではありましたが、曲を聴く限り冒頭部分はほぼこ…

Stravinsky Symphony of Psalm 2nd Movt.

ストラヴィンスキーの「詩篇交響曲」でありますが、第二楽章の冒頭部分のフーガっぽい入り。赤色の入りに対し、青色が5度上で、続いて喜遊部があって、赤色が主調でということで一応型どおりにはなってますが、音使いは伝統的ではない。ただ、統一感が取れて…

2 songs by Isao Takahata from "The Story of the Princess Kaguya"

「かぐや姫の物語」のTV放映があったので観ました。強力なfeministic storyだと思います。 劇中歌の「わらべうた」と「天女のうた」はいずれも高畑監督みずからの御作だということですね。「わらべうた」はどことなく「こきりこ節」を思わせます。音はこちら…

Stravinsky Choral from "L'Histoire du soldat"

ストラヴィンスキーの新古典主義の初期の代表作「兵士の物語」からのコラールである。ほぼダイアトニックに、調性的にかかれてはいるのだが、ほぼすべての拍で機能和声的には「間違って」いる。和声を習ったリムスキー=コルサコフへのあてつけじゃないかと…

Bill Evans-Style "Autumn Leaves" by David Magyel

古典中の古典です。Magyel氏が、"Portrait of Jazz"のスタイルで見事なプロトタイプを与えてくれていますので見てみます。音はこちら。 4小節目のコードワークはモーダルなアプローチですが、F/Gと見てもいいように思います。F/GでBb Major の代わりというこ…

"Dirty Chords" in "Neo-Soul" music?

YouTubeには大量の音楽関係のレッスンビデオがあって、大変参考になるのだが、中にはこれで客を釣って本編のビデオを売って商売にしようというものもある、あるいはそれが主なようだ。次のビデオの一部分を勉強のために書き起こしてみた。 youtu.be ほんの一…

Schumann Dichterliebe 1. "Im Wunderschönen Monat Mai"

5月ですな。日本のGWはいい時期に持ってきたものです。意図的なものかどうかわかりませんが、一番いい季節。風薫る五月であります。もっとも今年は異常気象で4月から暑かったですねぇ。地球温暖化のせいかどうかはわかりませんが、少なくとも東京はこの50年…

Rob Araujo solo analyzed by Aimee Nolte

畏友Kさんに教えてもらった動画。Rob Araujoのソロを Aimee Nolteさんが分析しているものです。 The Future Of Jazz: How To Take A Neo Soul Solo 太っ腹にも、コード進行(これはMac Ayres氏がsoundcloudに上げたもの)と、Araujo氏のソロのコピーが出てく…

Michel Legrand "You must believe in spring"

もともとルグランが映画のために書いた曲で、サウンドトラックでは「マクサンスのうた」となっている。ジャズ好きにはビル・エヴァンスの名演の方が馴染み深いだろうと思うが、要はII-Vの繰り返しで、特にこれという工夫はない。 曲全体は(この譜面では)一…

General Purpose "Happy Birthday Fughetta for Celebration"

ハッピーバースデイの旋律が頭にこびりついて離れないので、フゲッタを作りました。適当にご活用ください(何に 音はこちら。

Ravel "Le tombeau de Couperin" No.2 Fugue

ラヴェルのクープランの墓はどこをとっても発見の泉なのだが、この2曲目のフーガはどうも影が薄い(当社比)。美しいのは間違いないのだが、「フーガ」といわれたときに「これ、フーガかぁ?」という気持ちがぬぐえない。実際、オーケストラ版には入ってない…

Mozart Piano Concerto No. 26 1st Movement

モーツァルトの26番のピアノコンチェルトの第一楽章の178小節目に、ちょっと変わった響きの処理がある。赤で囲んだ部分の、DとCの長二度でのぶつかりが面白いのだが、これはどう考えたらいいのか。 結論としては、ここは本来イ長調で、3拍目はB7で、これはイ…

Movie "10 Miniature Canons" on YouTube

十の小カノン集、YouTubeにアップロードしました。 youtu.be

10 Miniature Canons

最後の9度の二声のカノンも完成しましたので、これで一応、ゴールトベルク変奏曲と形だけは同じ9個のカノンと、一つの螺旋カノンが完成しましたので、まとめました。 Jun Yamamoto's Written Music の一番上に、音と楽譜をアップロードしましたので、ご興味…

Canon at Octave

同度のカノンを作るのが難しいということは当然、オクターブのカノンも作りにくい。これもかなりムリムリなところもあるけれど、直しきれませんでした。音はこちら。

Canon at unison

同度のミニカノン、やっとできました。同度のカノンは難しい。一応ウロボロスタイプになってます(最後まで忠実なカノンにしてある)。ソプラノをアルトが追いかけ、バスは自由声部です。音はこちら。

Bach Goldberg Variations 3. Canone all'Unisono

同度のカノンは作りにくい。「カエルのうた」とか"Row Row Row Your Boat"式の和音が変わらないようなものはともかくとして、対位法的なカノンを書くのは難しい。 大バッハはゴールトベルク変奏曲で、同度のカノン(第3変奏)とオクターブのカノン(第24変奏…

Chopin Étude Op. 10, No. 12

みんな大好きショパンの「革命のエチュード」であります。84小節のドラマ。実際は革命とはなんの関係もないらしいですけど。 左手の16分音符は、ほぼスケールか半音でのアプローチで出来ているので理論的にはそう難しいところはないと思います。 非和声音に…

Miniature Vortex Canon

大バッハには足下にも及ばないが、音楽の捧げ物にある、無限上昇カノンを真似して、小さなモデルのようなカノンを作ってみた。大バッハに敬意を表して、三声でソプラノが自由声部、下二声がカノンになる形を踏襲した。バッハのものは8小節もあって、長二度ず…

J. S. Bach The Music Offering Canon 5 a 2

「音楽の捧げもの」から5度のカノン。上声はフリードリッヒ大王のテーマの変形で、その下にニ声の5度のカノンが形成される。バッハが書いたのは下の譜面だけで、一種の謎かけになっている。 下の段に二つの音部記号が書かれており、最初のヘ音記号はあそのま…

Tchaikovsky Symphony No.5 2nd Movt.

みんな大好きチャイコフスキーの第5交響曲の第二楽章。49小節目からのひとくだりですが、ここだけでもアイデアが豊富に詰まっています。音はこちら。 例によって、主調のDから下降するバスラインは8小節めの頭までひたすら下降していき、次は2小節これを取り…