Jun Yamamoto 音楽を語る

クラシックのおいしいところをつまみぐい http://jun.la.coocan.jp

Stravinsky Choral from "L'Histoire du soldat"

ストラヴィンスキーの新古典主義の初期の代表作「兵士の物語」からのコラールである。ほぼダイアトニックに、調性的にかかれてはいるのだが、ほぼすべての拍で機能和声的には「間違って」いる。和声を習ったリムスキー=コルサコフへのあてつけじゃないかと…

Bill Evans-Style "Autumn Leaves" by David Magyel

古典中の古典です。Magyel氏が、"Portrait of Jazz"のスタイルで見事なプロトタイプを与えてくれていますので見てみます。音はこちら。 4小節目のコードワークはモーダルなアプローチですが、F/Gと見てもいいように思います。F/GでBb Major の代わりというこ…

"Dirty Chords" in "Neo-Soul" music?

YouTubeには大量の音楽関係のレッスンビデオがあって、大変参考になるのだが、中にはこれで客を釣って本編のビデオを売って商売にしようというものもある、あるいはそれが主なようだ。次のビデオの一部分を勉強のために書き起こしてみた。 youtu.be ほんの一…

Schumann Dichterliebe 1. "Im Wunderschönen Monat Mai"

5月ですな。日本のGWはいい時期に持ってきたものです。意図的なものかどうかわかりませんが、一番いい季節。風薫る五月であります。もっとも今年は異常気象で4月から暑かったですねぇ。地球温暖化のせいかどうかはわかりませんが、少なくとも東京はこの50年…

Rob Araujo solo analyzed by Aimee Nolte

畏友Kさんに教えてもらった動画。Rob Araujoのソロを Aimee Nolteさんが分析しているものです。 The Future Of Jazz: How To Take A Neo Soul Solo 太っ腹にも、コード進行(これはMac Ayres氏がsoundcloudに上げたもの)と、Araujo氏のソロのコピーが出てく…

Michel Legrand "You must believe in spring"

もともとルグランが映画のために書いた曲で、サウンドトラックでは「マクサンスのうた」となっている。ジャズ好きにはビル・エヴァンスの名演の方が馴染み深いだろうと思うが、要はII-Vの繰り返しで、特にこれという工夫はない。 曲全体は(この譜面では)一…

General Purpose "Happy Birthday Fughetta for Celebration"

ハッピーバースデイの旋律が頭にこびりついて離れないので、フゲッタを作りました。適当にご活用ください(何に 音はこちら。

Ravel "Le tombeau de Couperin" No.2 Fugue

ラヴェルのクープランの墓はどこをとっても発見の泉なのだが、この2曲目のフーガはどうも影が薄い(当社比)。美しいのは間違いないのだが、「フーガ」といわれたときに「これ、フーガかぁ?」という気持ちがぬぐえない。実際、オーケストラ版には入ってない…

Mozart Piano Concerto No. 26 1st Movement

モーツァルトの26番のピアノコンチェルトの第一楽章の178小節目に、ちょっと変わった響きの処理がある。赤で囲んだ部分の、DとCの長二度でのぶつかりが面白いのだが、これはどう考えたらいいのか。 結論としては、ここは本来イ長調で、3拍目はB7で、これはイ…

Movie "10 Miniature Canons" on YouTube

十の小カノン集、YouTubeにアップロードしました。 youtu.be

10 Miniature Canons

最後の9度の二声のカノンも完成しましたので、これで一応、ゴールトベルク変奏曲と形だけは同じ9個のカノンと、一つの螺旋カノンが完成しましたので、まとめました。 Jun Yamamoto's Written Music の一番上に、音と楽譜をアップロードしましたので、ご興味…

Canon at Octave

同度のカノンを作るのが難しいということは当然、オクターブのカノンも作りにくい。これもかなりムリムリなところもあるけれど、直しきれませんでした。音はこちら。

Canon at unison

同度のミニカノン、やっとできました。同度のカノンは難しい。一応ウロボロスタイプになってます(最後まで忠実なカノンにしてある)。ソプラノをアルトが追いかけ、バスは自由声部です。音はこちら。

Bach Goldberg Variations 3. Canone all'Unisono

同度のカノンは作りにくい。「カエルのうた」とか"Row Row Row Your Boat"式の和音が変わらないようなものはともかくとして、対位法的なカノンを書くのは難しい。 大バッハはゴールトベルク変奏曲で、同度のカノン(第3変奏)とオクターブのカノン(第24変奏…

Chopin Étude Op. 10, No. 12

みんな大好きショパンの「革命のエチュード」であります。84小節のドラマ。実際は革命とはなんの関係もないらしいですけど。 左手の16分音符は、ほぼスケールか半音でのアプローチで出来ているので理論的にはそう難しいところはないと思います。 非和声音に…

Miniature Vortex Canon

大バッハには足下にも及ばないが、音楽の捧げ物にある、無限上昇カノンを真似して、小さなモデルのようなカノンを作ってみた。大バッハに敬意を表して、三声でソプラノが自由声部、下二声がカノンになる形を踏襲した。バッハのものは8小節もあって、長二度ず…

J. S. Bach The Music Offering Canon 5 a 2

「音楽の捧げもの」から5度のカノン。上声はフリードリッヒ大王のテーマの変形で、その下にニ声の5度のカノンが形成される。バッハが書いたのは下の譜面だけで、一種の謎かけになっている。 下の段に二つの音部記号が書かれており、最初のヘ音記号はあそのま…

Tchaikovsky Symphony No.5 2nd Movt.

みんな大好きチャイコフスキーの第5交響曲の第二楽章。49小節目からのひとくだりですが、ここだけでもアイデアが豊富に詰まっています。音はこちら。 例によって、主調のDから下降するバスラインは8小節めの頭までひたすら下降していき、次は2小節これを取り…

Schönberg Kammersymphonie Nr. 1 op.9

シェーンベルクの室内交響曲は前にも齧ったが、もう一度。練習番号77、viel langsamerになるところ。 この曲全体が、完全4度の積み重ね和音のスタディといった趣ですが、ここでは完全4度重ね和音を通常の3度重ね和音に接続するという例を見ることができます…

気になるラジオCM 新宿★合会計事務所さん

ラジオで流されている新宿★合会計事務所さんのCMが気になってしょうがない。具体的にはBGMで流れるヴァイオリンの旋律なのだが、 コードネームは私が便宜的につけたもので必ずしもこの通りではないと思うのだが、この14小節目のEb がすごく気になる。書いた…

島袋優「おもいでに捧ぐ」

この曲、歌詞(岩里祐穂)は「男の見果てぬ夢」みたいな感じですが、歌として大変よくできていると思います。下に一番の歌詞を示しますが、この「呼ぶけれど」のところが、「世界が開けるような感じ」がするのですが、これがIV度へのII-Vアプローチで、しか…

Mussorgsky "Pictures at an Exhibition" 1. Gnomus

ムソルグスキーの展覧会の絵の2曲目のGnomus(小人)の終わりのところはcon tutta forza で一気呵成にvelocissimoで駆け抜ける。右手左手の単音・ニ旋律だけだが、効果的に書いてある。基本的にはこの5小節は主和音のEbmで、あとはコアになる音への修飾に過…

中洲朗・作曲 上柴はじめ・編曲 「ゆうべの秘密」

伊東ゆかりさんの「メモリーズ・オブ・ミー」は2013年にリリースされたセルフカバーを含むカバー・アルバムで、12曲中9曲がDavid Matthewsの編曲、ピアノも弾いてますよというのが売りだが、残りの3曲は上柴はじめさんのアレンジで、「ゆうべの秘密」はその…

Canon at 6th

ミニミニ・カノン・シリーズ、6度のカノン。音はこちら。 アルトから始まり、6度上でソプラノが追いかけます。バスは自由部です。これで、2度から7度まで出来たので、あと1度と8度で一応揃う。うーん、どうでもいい話だがやっぱりそろえないと気持ち悪いかな…

Bartok String Quartet No.5 Movt. 2

第二楽章は上からと下からと離れた音域から徐々に歩み寄ってきて始まる。そのあと、もろに協和的な三和音が出てくるところ。ただし、第一バイオリンのメロディーラインは原則的に協和音にはならず(青の○で囲んだ音だけ例外)第二バイオリン以下の和音を踏ま…

Bartok String Quartet No.3 Movt. 2

バルトークがベートーベン的完成を達成したといってよい第3番の弦楽四重奏曲であるが(異論はおありと思いますが)、いつもこの第2楽章の終り部分にくると、ここでこのモティーフ(g, g, fis, g)をもう少し積み重ねてフィニッシュしたい、というセンセーシ…

Bartok String Quartet No.1 Movt. 1

バルトークの弦楽四重奏第1番を聞いていると、ドビュッシーやラヴェルのフランス音楽と直接つながっているような印象を受けるところがある。例えば45小節目からの次の部分。音はこちら。 45-46小節目はほとんどモーダルであり、さらに一つ一つの和音…

Silent Night (re-harmonized)

もう師走である。もうすぐ冥途の旅の一里塚である。あーやだやだ。 その前にクリスマスがあるのが(異教のまつりではあるが)救いである。 大昔に作ったニフティサーブのクリスマス企画用のネタをサルベイジしてきた。楽譜をきちんと書いたのは今回初めてな…

Bruckner Symphony No.3 Movt. 1

「不機嫌な姫とブルックナー団」を読んだので、ブルックナー re-visited である。 大御所ワグナーにはウケがよかったのに初演がぼろぼろだったという第3番。確かにところどころワグナーを思わせるところもあるし、後のマーラーを予感させるところもあってな…

Ravel Le Tombeau de Couperin "III. Forlane" (2) (修正版)

RavelのForlaneの続きです。9小節目からで、わかりやすくゆ~っくり弾いたものがこちら。 9小節目からは、まずEmの和音でスタートするものの、いきなり低音でC#のバスを鳴らします。これは将来的には18小節目にG#メジャーに解決しますが(下の譜例)、これは…