読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

Jun Yamamoto 音楽を語る

クラシックのおいしいところをつまみぐい http://jun.la.coocan.jp

Prokofiev Violin Concerto No.1 Movt.3

Digitalian's Alchemyで取り上げられていたプロコフィエフのヴァイオリン協奏曲第一番。終楽章の第一主題を取り上げてみたい。音はこちら。 主題の4小節目にGm の和音からハープとともにBbm7に入るのがなんとも魅力的で、大変プロコプロコした(?)ところだ…

Dvorak String Quartet No. 13 Op. 106 Movt.3

ハイメラン/アウリッヒの「クヮルテットのたのしみ」を読んでいる。自分では弾けないのでわからないが、確かにこれは弾きにくそうだ。ドヴォルザークの弦楽四重奏曲第13番作品106の第3楽章。Un poco meno mossoのところの第二バイオリンのダブルストップ。…

Haydn String Quartet No. 64-5 "Lark" Movt. 1 (2)

ハイドンの弦楽四重奏曲、通称「ひばり」の第一楽章の35小節目。音はこちら。 これはハイドンの発明じゃないかと思うのだが、長二度でぶつけた2音(赤の枠で囲んである)から始まるパッセージだが、基本的に第一バイオリンは順次上行して、つぎつぎと転調し…

Haydn String Quartet No.64-5 "Lark" Movt. 4 Finale

ハイドンの有名な弦楽四重奏曲、通称「ひばり」の第4楽章フィナーレですが、「これぞ掛留音」という見本のようなところがあるので、引用します。57小節目からですが、第一バイオリンと第二バイオリンが交互に掛留音とその解決を見せてくれます。 56小節目の…

Mozart Piano Concerto No.23 K 488 Movt. 2

モーツァルトの23番のピアノコンチェルト。イ長調。もともとモーツァルトのピアノ協奏曲は名曲ぞろいなのだが、わけても終わりのほうの数曲はすごいですよね。ピアノも美しいが、オーケストラも精妙で、とりわけ木管楽器の扱いは素晴らしい。 この曲の第二楽…

Schubert Piano Sonata No. 20 D 959 post.

某所で話題になったシューベルトの最晩年のピアノソナタである。弦楽四重奏第15番にも執拗な固定音程のペダルとでもいったものが見られるが、この曲では、調性すら危うくなりほとんどコントロールを離れてしまっているように聞こえる。 第一楽章の285小節目…

椎名林檎「おとなの掟」TVドラマ「カルテット」主題曲

TBSーTV火曜ドラマ「カルテット」の主題曲、椎名林檎さんの「おとなの掟」は歌詞といいメロディといい、名曲だと思います。Videoもよくできていますよね。 思わず、コピーしてしまいました。例によって4声体にして、コードネームを振ってあります。音はこち…

Ringo Shiina "Otona no Okite" Theme for the TV series "Quartet"

TBSーTV火曜ドラマ「カルテット」の主題曲、椎名林檎さんの「おとなの掟」は歌詞といいメロディといい、名曲だと思います。Videoもよくできていますよね。 思わず、コピーしてしまいました。例によって4声体にして、コードネームを振ってあります。音はこち…

演奏家に必要なものの優先順位(Hierarchy of Needs for Musiciansの邦訳)

次のページを訳してみました。 Musicians' Hierarchy of Needs graphs - Classic FM おまけ。

ショーターとハンコックから、次世代のアーティストへの公開レター(非公式勝手訳)

Open letter by Wayne Shorter and Herbie Hancock (原文および対訳ー勝手訳 by Jun Yamamoto) -------------------------------- To the Next Generation of Artists, 次世代のアーティストへ We find ourselves in turbulent and unpredictable times. 荒…

Liszt Etudes D'Exécution Transcendante, S 139 - 4. Mazeppa

リストの曲はなぜあんなにつまらないのか。 たとえば、超絶技巧練習曲の第3曲「マゼッパ」。一連の曲の中ではマシだと思うが、例えば出だしのところ。 最初の部分はピアニストはいろいろ工夫して意味ありげに弾くが、単なる減七の和音の連続であり、半音ずつ…

Rachmaninoff Rhapsody On A Theme Of Paganini, Op.43 - Variation 11

ラフマニノフのおそらく最高傑作である、パガニーニの主題によるラプソディー作品43。第11変奏は、アルペジオ主体のほんの一瞬で終わる変奏なのだが、最後の部分が気になっていた。おそらくピアニストはこの部分を含め、まるっと記憶してしまうのだろう…

Brahms Piano Concerto No. 1 D moll Movt. 1

ブラームスのピアノ協奏曲第一番というのは、ずっと敬して遠ざけてきたところがある。 なんと言っても1857年完成だから、ブラームス弱冠22才。暗い情熱にあふれかえっていて、到底消化できない感じがしていたからである。 それが、やっとじっくり聞いてみよ…

Grieg Piano Concerto Movt. I (2)

グリーグのピアノコンチェルトの第一楽章のカデンツァのところ。 DmからE7の動きは原調のイ短調、次のGm7からA7の動きは下属調のニ短調になっている。E7にはいる直前のD#の音は倚音でEに解決する。A7の直前のG#も倚音でAに解決する。 次のBbの和音は、イ短調…

Tchaikovsky Piano Concerto No.2 Movt. I

あの印象的な第一番にくらべて、演奏機会の圧倒的に少ない、気の毒な曲である。CDも出ているが、第一番が数え切れないのに対し、ごくわずかである。 作曲の経緯などはWikipedia に詳しいので省略するとして、第一楽章の最初のテーマだが、私は長年勘違いして…

Mozart Piano Concerto No. 24 c moll KV.491 Movt. 1

この曲の冒頭は絃楽器とファゴットのユニゾンなのだが、転調が多く、これをソルフェージュで初見視唱の課題に出されたらつらい。音はこちら。 単旋律で聴いていると40番交響曲の第4楽章にもそういうところがあるが、ほとんど12音音楽である。番号を振っ…

"Love Is Over" by Kaoru Ito arranged by Akihisa Matsuura

昭和歌謡の名曲、欧陽菲菲さんの絶唱で有名な「ラブ・イズ・オーバー」をJUJUさんがカバーしているのだが、これの編曲者が松浦晃久さんで、そのリハモナイゼーションがチャーミングなので、コピーしてみました。音はこちら。 最初の部分はほとんど原曲を忠実に…

Saint-Saens "La Cynge" from "Le carnaval des animaux"

いまさらながらの「白鳥」である。サン=サーンスの曲の中でも一番聞かれているのではないだろうか。おびただしい編曲があるし、アンコールなどでの演奏機会も多いだろう。 シンプルな一息の旋律。特に形式もなく、転調を経て冒頭部分がもどってきてすんなり…

David Foster "The Best Of Me"

David Fosterの音楽は常にリッチでキャッチーで、聴く人をそらさない魅力をもっている。この曲は最初オリヴィア・ニュートン=ジョンとのデュエットで発表され、"David Foster"という題名のアルバムに入っている。ここではアルバム"The Best of Me"のソロバ…

Hall & Oates "Kiss on my list"

気になるコード進行というものがある。どうなっているんだろう、と思いながら長年放置してあったりする。耳のいい人は楽譜に印刷されたように聞こえているんだろうが、こちらはなかなかそうはいかない。なんどもピアノで確かめて、ああそうだったのか、とい…

Sibelius String Quartet op. 56 "Voice Intimae" Movt. 2

これを最初に聞いたときはびっくりしました。楽譜はたしかにイ長調らしいのですが、機能的な和声を書こうという意思はまったくないし、対位法的に書こうという意思もみとめられない。絃楽器で勢いよく演奏されるとなんとなく納得してしまいますが、そうとう…

"serious" music?

最近は「現代音楽」という言葉がはやらなくなった。確かに、60年代ならともかく、21世紀に入って、シェーンベルク以降の西洋音楽をまとめて「現代音楽」というと幅が広すぎるということもあるだろうし、もともとcontemporary musicの訳だろうから、現代に広…

Mariya Takeuchi "Genki Wo Dashite" 竹内まりや 「元気を出して」

竹内まりやさんの「元気を出して」はもともと薬師丸ひろ子さんに書いた曲だが、まりやさん本人のカバーバージョンがあり、そこでは最後のコーラス部分に薬師丸さんが参加している。 このコーラスが秀逸なので、採譜してみた。音はこちら。 実に美しい対旋律…

Mariya Takeuchi "Konya wa Hearty Party"  竹内まりや「今夜はHearty Party」

竹内まりや featuring 木村拓哉 の「今夜はHearty Party」である。このdanceable tune はバークレーメソッドのお手本のようなコード進行になっているので、解析(というほど大げさなものではないが)してみたい。 Bbメジャーの曲だが、ところどころでスパイ…

Brahms Symphony No.1 Movt. 1

ブラームスの第一交響曲冒頭。つかみはばっちりですよねぇ。ブラームスが何年も考え抜いたんだから当然といえば当然ですが。この部分は順次進行に伴う、掛留音と偶成和音の嵐であります。rが掛留音、四角く囲った部分が、必ずしも機能的ではない、経過音の…

Tchaikovsky Symphony No.6 (2) Movt.3

チャイコフスキーの悲愴を取り上げるのは「私の記憶がたしかならば」二回目。第3楽章のブライトコプフの楽譜で練習番号Dの部分。 同じ音形がバスの上で、バイオリン、クラリネット、ビオラ、ホルンと受け渡されるのですが、ちょっと変わった響きになっていま…

Brahms Symphony No.1 Movt. 4

「小澤征爾さんと、音楽について話をする」という小澤征爾・村上春樹両氏の対談があるのだが、その中でブラームスの第一交響曲第4楽章のホルンの息継ぎ問題が語られている。本には一切譜例がないのだが、著作権も切れているのだし、例示なのだから、ちょっと…

Berg "Violin Concert" "Lyric Suite"

ベルクの音楽の独自性、美しさ、は十分認めるものであるが、時々、「これはいくらなんでも間が抜けてないか」と思うときがある。 上の譜例はバイオリン協奏曲の第一楽章で、リズミカルな主題が提示されるところだが、これはまぬけである。音はこちら。 下の…

Mariya Takeuchi "Shuugakushou" 竹内まりや ”終楽章”

「けんかをやめて」といい「終楽章」といい、竹内まりやさんの描く女はもうとんでもない奴ばっかりだ。「誰が悪いわけじゃなくて」って悪いのはおまえだろ。あやまれ(笑) 「終楽章」は9thのかたまり。どんだけ9th好きなんだよっていう。9thにすべて赤丸を…

Hikaru Utada "Ore no Kanojo"

祝!宇多田ヒカル復活! というわけで『俺の彼女』(アルバム「Fantôme」から)のこの部分。 このメロディーラインは4小節目の頭でC に行くべきところC#にいく。これは新しいね。

Diana Krall "California Dreamin'" from "Wallflower"

Diana KrallのWallflower は大変なアルバムである。古今の名曲のカバーアルバムで、Krallが歌っているというだけでなく、プロデュースが David Fosterなんである。あー。 で、California Dreamin' はJohn Phillips and Michelle Phillipsの曲で、The Mamas &…

Beethoven String Quartet No. 10 Movt.3

ベートーベンの10番の弦楽四重奏曲の第3楽章は、お得意の1小節一拍で振らないと振りきれないスケルツォである(速度表示はPrestoになっている。) 最初から飛ばしていく、急速な音楽であるが、途中でpiu presto quasi prestissimoになる。 そこまでも相当過…

Toru Takemitsu Viola Concerto-A String Around Autumn

注文しておいた武満徹「ヴィオラコンチェルト」の楽譜が届いた。気になっていたところをチェックしたが、三善晃さんやうちの師匠のスコアなどとくらべるとはるかにわかりやすい。(1)15分もかかる大曲なのに、アレグロがない(そういう概念がない)(2)…

Hiroko Taniyama "Asobi-ni-Ikouyo"

昨晩は谷山浩子さんの猫森集会season 15 at Space Zero に行ってきました。Cプログラムのオールリクエストです。 谷山さん自身は14の時から音楽活動をされているので、芸歴46年、曲の数もレギュラーアルバムだけで30枚以上、他のアーティストにも曲を何十曲…

自作の生まれて初めての公開演奏にあたりびびりまくっている件

「中国・四国の作曲家2016 in 徳島」10月29日 にて、自作のトランペット独奏曲が初演されます。生まれて初めての経験なのでびびっています。チケットあります。

Richard Strauss "Metamorphosen"

初めて第一バイオリンが入ってくる部分。リヒャルト=シュトラウスとしてはそれほど驚くような和声の扱いではないと思いますが、赤矢印の部分は普通じゃないですね。11小節目のバスのdisは倚音ですが、シュトラウス印。音はこちら。

【番外編】クラシック音楽における即興演奏

クラシック音楽の即興演奏というのは、もともとは行われていたのだろうけれど(バッハ時代のオルガンの即興演奏とか、コンチェルトグロッソでソロが即興演奏するとか、バスコンティニュオだけ見てチェンバロを弾くとか。モーツァルトやベートーヴェンもコン…

Schönberg Kammersymphonie Nr. 1 E-Dur op. 9

シェーンベルクの作品番号の若いものには好きな曲が多い。これもそう。 編成が斬新だったので当時は賛否両論あったようだが、それ以上に音の使い方がすごい。 だいたい、ホ長調と銘打ってあり、最初にホ長調の調号がかいてあるのに、ハナからこれである。と…

Kaori Nabeshima "Exotic Dance" for Alto Saxophone and Piano

この作品がNHKの朝のFMの番組で流れていて、「おお!」と思ったのが、鍋島作品を認識したはじめ、であった。すみません、遅くて。 大きく上下に展開したピアノのC音の強奏から始まるこの曲は、アルトサックスの最初の4つの音、C E D Bb これでノックアウトさ…

Wagner "Ride of the Valkyries"

『ワルキューレの騎行(Ride of the Valkyries)』は、ワーグナーの楽劇 『ニーベルングの指輪』の第一夜 楽劇『ワルキューレ』の第三幕の前奏曲です。 このブログ、手当たり次第にいろいろなものを取り上げてきたので、筆者自身も何をいつどういう形で取り上…

Herbie Hancock Solo in The Eye of the Hurricane (1965)

ハンコックがMaiden Voyageというアルバムを出したのが1965年。ここで聞くことのできるイディオムを多少なりとも消化するのに50年かかっているとはなんたることであろうか>ワシ 日本のピアニストでも坪口昌恭さんあたりは、ハンコック節を完全にマス…

Note étrangère (非和声音)

ネット上に、非和声音について、日本語とフランス語、あるいはイタリア語とを併記したサイトがないので、書くことにしました。 非和声音とは、読んで字のごとく、コードにない音のことですが、本来のコードの音が「ずれている」ととらえた方が直感的にわかり…

Prokofiev Flute Sonata Movt. 3

プロコフィエフのフルートソナタは、ヴァイオリンソナタとしても演奏されるし、クラリネットにオーケストラ伴奏というのもあったし、大変愛されている曲だ。この第3楽章を取り上げたい。 最初の部分だが、なんか騙された感のある進行である。 下の総譜にフル…

Prokofiev Symphony No.6 Movt. 1 & 2

とにかく妙な曲である。「戦争の悲惨を忘れてはならない」というのだが、確かに1,2楽章とも陰鬱な音楽であるが、それ以上にプロコフィエフの大半の音楽に比してかなり実験的であり、響きもあまりよくないように思う。案の定、この曲はジダーノフ批判にさらさ…

蔵出し 「春」-バイオリンとピアノのための

1994年作品「春」バイオリンとピアノのための-をimslpにアップロードしました。パート譜も作りましたので、誰か演奏してください(請)初演するなら今がチャンス! Finaleによる自動演奏はこちら。どうも16分音符が変な具合に強調される不具合がありますが…

【蔵出し】 クラリネットとピアノのための「海へ」 "À la mer" pour clarinette et piano

クラリネットとピアノのための「海へ」"À la mer" pour clarinette et piano 高校の時に書いたクラリネットとピアノの小品(5分半ほど)です。1978年1月28日の記録があります。 この曲はちゃんと転調もしてるし(爆)(f moll からd mollへの転調が美しいー…

Beethoven Violin Sonata No.3 Movt. 3 ベートーベンはなぜここまで野暮ったいのか

ドボルザークも相当なものだが、ベートーベンの野暮ったさは筋金入りである。ヴァイオリンソナタ第3番の終楽章を取り上げてみたい。冒頭の主題も相当なものだが、この二番目に出てくるテーマも野暮ったさにかけては引けをとらない。 音はこちら。 なぜこれが…

オーケストラのスコアというのも人智の結晶

平田オリザさんの「演劇入門」が面白かったので、実作の「東京ノート」の脚本を読む。 1994年作品、翌年の岸田國士戯曲賞受賞。舞台は2004年。ヨーロッパで戦争が起きているという設定を別にすれば、ごくごく小さな生活のあれこれが描かれるだけで「…

Cherokee Lullaby

アーサー・ビナードさんの小さくてピリッとした本「亜米利加ニモ負ケズ」の中にあったお話。 アメリカの先住民であるチェロキーは子守唄をつくるのではなく「狩って」くるのだ、という。狩りに行き、小熊を見つけると注意深くあとを追う。母熊のところにもど…

Patrick Gowers the "Opening Theme of the Adventures of Sherlock Holmes"

英国グラナダテレビのジェレミー・ブレッド主演の「シャーロック・ホームズの冒険」は質の高いドラマ・シリーズだった。惜しくもブレッドはなくなってしまったが。 このシリーズの音楽を手がけたのがパトリック・ゴワーズだ。このシリーズの音楽を集めたCDに…