2016-07-01から1ヶ月間の記事一覧
平田オリザさんの「演劇入門」が面白かったので、実作の「東京ノート」の脚本を読む。 1994年作品、翌年の岸田國士戯曲賞受賞。舞台は2004年。ヨーロッパで戦争が起きているという設定を別にすれば、ごくごく小さな生活のあれこれが描かれるだけで「…
アーサー・ビナードさんの小さくてピリッとした本「亜米利加ニモ負ケズ」の中にあったお話。 アメリカの先住民であるチェロキーは子守唄をつくるのではなく「狩って」くるのだ、という。狩りに行き、小熊を見つけると注意深くあとを追う。母熊のところにもど…
英国グラナダテレビのジェレミー・ブレッド主演の「シャーロック・ホームズの冒険」は質の高いドラマ・シリーズだった。惜しくもブレッドはなくなってしまったが。 このシリーズの音楽を手がけたのがパトリック・ゴワーズだ。このシリーズの音楽を集めたCDに…
某所で夏にちなんだクラシックの曲という話題があったのでこの曲を思い出した。 三善晃さんのオーケストラ曲はどれも一筋縄ではいかない。大胆でフレキシブルな楽想に、あくまでも精密緻密なオーケストレーションが施されており、スコアを眺めていてもこれを…
ミュライユのお弟子さん、ということはグリゼイの孫弟子さんにあたる田中カレンさんの大変美しいピアノ独奏曲「クリスタリーヌII」を取り上げます。 高音域の高速のアルペジオを核として、トリルや、高音域のクラスターなどを効果的につかった美しい作品です…
私は、ドヴォルザークの音楽を愛すること、人後に落ちるものではないと自負しているけれども、この作曲家は基本的に野暮ったい。かつ時々変である。 交響曲第8番の第4楽章の主題の確保が終わって、フルートとトランペットのデュオになるところなのだが、なぜ…
R. ターガート・マーフィー「日本ー呪縛の構造(上)」から「たとえば 、ドイツの作曲家リヒャルト ・ワ ーグナ ーが一八五〇年に発表した 『音楽におけるユダヤ性 』という醜悪な内容の論文はきわめて大きな影響力を持つようになった 。その中で彼はユダヤ…
アメリカ民謡だというのですが、どうもあやしげな「すいかの名産地」。これを1996年にやや現代風にピアノ独奏用にアレンジしたものがこちらです。 Jun Yamamoto:すいかの名産地 - ミュージック : MUSIC TRACK 最近気がついたのですが、これってPoulenc の S…