Jun Yamamoto音楽を語る

Jun Yamamoto 音楽を語る

クラシックのおいしいところをつまみぐい https://jun-yamamoto.wixsite.com/jun-yamamoto

2016-06-01から1ヶ月間の記事一覧

Teruyuki Noda Berseuse for piano solo

野田暉行「3つのピアノ曲」から第2曲ベルスーズ。 その最初の3小節を見てみます。この曲は他の2曲と合わせ、珠玉の響きの集大成という趣がありますが、響きのよさの秘密はそれほど難しくありません。下の譜面は最初の3小節ですが、比較的オーセンティッ…

1974年の自作コラール

1974年、高校時代に音楽の授業で、先生の出した動機をつかって短い合唱曲を作ってグループで歌うという課題がありました。高校は音楽学校ではありませんでしたので、なかなかゆるい作品が発表されて味わい深かったです。そのときに作った短いコラールです。…

Ravel String Quartet Movt.4 (5)

ラヴェルの弦楽四重奏第4楽章の続き。例によって模式的に書いた大譜表でしめします。音はこちら。 ここから第一ヴァイオリンがメロディーを出しますが、これはF Mixolydian という解釈でいいと思います。Fが主音で7音目にEbが出てくる。ただ、ここではGの音…

Bach Invention No. 6 E Major 2 voices

バッハのインヴェンションとシンフォニアには佳曲が多いのだが、これもその一つであろう。主音のEから上下にシンコペーションを伴ってひらいていく2声は、次のパートでは上下を入れ替えて繰り返される。(青と緑、橙と黄)実に論理的でシンメトリカルである…

Mendelssohn Symphony No.2 "Lobgesang"

メンデルスゾーンの交響曲第二番はシンフォニーとカンタータを組み合わせたような長大な作品であるが、どうも前から気になっていた。 全編を貫く主題がこれである。音はこちら。 これってさー、なんともイモったくないすか。ダサい。垢抜けない。 第一楽章冒…

Brahms Clarinet Quintet Movt. 1

クラリネット曲のオールタイムフェイバリット、ブラームスのクラリネット5重奏曲の第一楽章のごく一部をご紹介。 ブラームスは分厚い。かつ結構無茶をする。これは第一楽章の32小節目からですが、和声の扱いが斬新です。譜例は概念的なものです。音はこちら…

Schumann Symphony No.4 d moll

天才シューマンの実際上は2番目に作曲されたニ短調の交響曲である。ただ、形式をみると、4楽章制ではあるが、第1楽章と第4楽章の主題の間に緊密な関係があることと、第1楽章が通常のソナタ形式ではないこと、さらには改訂時に連続して演奏するように指定され…

Chopin Etude op.10 No.7

8分の6だが、右手に常に16分音符の重音が配されており、めまぐるしく和音が変わっていくように書かれている。調号はハ長調だが、テーマは同主短調を借用しながら進む。 和音の変化はあるものの、最初の3小節は大きく主和音ととらえていいだろう。 これだけ…

Richard Strauss "Also sprach Zarathustra"

リヒャルト・シュトラウスの「ツァラトゥストラかく語りき」は偉大な名曲なのだが、スタンリー・キューブリックのせいでかどうか、冒頭部分だけ有名になってしまった。特に印象的な冒頭部分が終わると、低弦でごにょごにょとなるのでよくわからなくてみんな…

Debussey La plus que Lente

ドビュッシーはまさに感性のおもむくままに書いているようなところがあって、分析を受けつけないような曲が多いのですが、これは比較的理屈っぽく書かれているので和声アナリーゼをしてみます。 変ト長調ですが、最初からダブルフラットのBbbが入っていて、…

Grieg Piano Concerto a moll movt.3

ピアニストのアリス・紗良・オットさんがグリーグについて語っておられます。 yt2fb.com 終わりの方で言及されているメロディーが最後だけ#でなくナチュラルになっているというところですが、これは第三楽章の律動的なテーマの後に出てくるもので、まずフル…