もともとこの部分は気になっていたんですが、何が気になるのかがわからなかったのできっちりスコアを勉強させていただきました。(尊敬の眼差し>プロコフィエフさん)
第一楽章の主部の終りとその再現ですが、まず主部の終わりの部分。音はこちら。
3-4小節目、7-8小節目いずれも7度の音は鳴っても次で解決しないというような近代和声になっている部分はありますが、特に妙な感じはしない。
ところがこれが再現する最後の部分が気になる。音はこちら。
最初の時は、I-IV-II-V-Iというカデンツで現れたものが、再現では、I-VI-II-V-Iになっており、7度音が解決しないのも同じなのですが、この譜例の最後の小節が気になります。解釈としては属七の和音で、9度と11度(hとd)がくっついているということかと思いますが、どちらも正規には解決しないのはいいとして、バスのcisが気になるんですね。この低い位置でAの和音であることを主張しているのですが、中声にあるdとの間で短9度になり不協和です。これがもしd であれば、上モノはGの和音でG on A ということで響きもよくなるのですが、このcis 気になるなぁ。なんとかなりませんか。なりませんね。
上の二回はまだいいんです。問題は展開部の終りに出てくる次の部分です。音はこちら。
(最初のバスのc g と降りてくるのも気にはなりますが、それはおいといて)最後の3小節が実に妙なんですが、まずDm9で7度音も9度音も放りっぱなしで、ドッペルドミナントのDに行くのですが、これがドミナントの上のGに乗っているという和音で、かなりショックですが、更にそのあとドミナントのG7にいく時に、わざわざこれ見よがしにfis から fへの変化を対斜にしているんですね。これも相当なものです。
オリジナルのスコアはこうなっています。オーボエパートにしろ、ホルンにしろ、嫌がらせとしか思えません。