代々木上原のムジカーザでのハープソロリサイタル。世界初演を2曲含む、バリバリの現代音楽プログラムである。にもかかわらず、ハコは狭いが大盛況。
ハープが、奏者(小柄なのに)と一体となってよく鳴る。そうだよね。ハープってのはアルペジオをするように作られている楽器なんだ。アルペジオ、グリッサンド、両手を使って二弦以上をつかうトレモロ、そういうことは得意なのだということがよくわかりました。間違ってもジャズでピアノがアドリブを取るような音使いをしてはいけない。反省しています。
私は橋本作品が気に入りました。音の選び方が実にきめ細かく美しい。露木作品も好きです。両手にちょっと違うことをさせる、というのが上手いなと思いました。後半のシェーファー作品は「独奏ハープと打楽器のための」とサブタイトルがついているだけににぎやか。ハープも打楽器を同時に演奏しないといけないのか。実に上手く書いてある。ほとんどシンフォニックといっていい効果をハープと、独奏者が同時にならす打楽器で出している。
大変意欲的な演奏会でした。不思議だったのは、客席がゲンダイオンガクの演奏会とは思えないほどにぎやかなこと。もちろん演奏中は静粛なのだが、曲間になると大変なごやかな雰囲気。これも鈴木さんのお人柄でしょうね。