バルトークの弦楽四重奏曲第5番の第一楽章の180小節目から8小節。
これは既に何度も出てきているモチーフだが、改めて全楽器の斉奏で示され(A Cb B C D Eb) このあと15回、「入り」がある。
1 A から 上行
2 D# から 上行
3 Eb(D#) から 下行
4 A から 下行
5 A から上行
6 D# から 上行
7 Eb(D#) から下行
8 A から 下行
9 E から 上行
10 D# から上行
11 Eb(D#) から 下行
12 A から 下行
13 B から 上行
14 A# から 上行
15 A から 下行
このように見ると、構造は比較的簡単で、1-4 と5-8は繰り返しに過ぎず、 9-12 も 9がEからで例外だが、あとは同じ、13,14 は変化するが、15からは改めてAにもどって別の部分が始まると見てもいいかもしれない。
AとD#(Eb)はお約束の増4度(減5度)関係であり、アイデアはいたってシンプルである。
一方縦方向(和音)という意味では半音がぶつかるなどしてかなり激しいが、ところどころでこれもお約束の和音が出てくる。
青い枠で囲んであるところ、Aは増4度+完全4度の組み合わせ、Bは逆で完全4度+増4度の組み合わせである。Cは下から増4度+完全4度+増4度の組み合わせになっている。
Dは珍しく一瞬だがAの長三和音が鳴る。EはF7b5である。FはDaddE であり、GはCm add b2、Hは Dm7b5 IはB7 そのものである。
緑で囲んだところは内声が厳しい交換をするところ例えば第二バイオリンのC Bb に対して、ヴィオラがB C# と絡むところである。
不思議なのは186小節目のヴィオラで、Hの部分は音はEとしてもよかったのではないかと思うが、わざと一度Dに下がって4拍目の頭をD#としている。C E F Ab という和音を嫌ったのかな。