マーラーの実質11曲の交響曲の中でも人気のある曲だ。やっぱり第一番の交響曲というのはどの作曲家も力が入るのだろう。
さて、第4楽章の再現部であるが、第一主題に由来する下の音形が三回出てくるのだが、1回目はおとなしくハ長調で登場する。和声は C Am C/G Dm7/F C という進行は伝統的なものでなく、新鮮な響きを持っている。C/GからDm7/Fというのは一種の弱進行になるだろうか。
二回目は、劇的な登場の仕方をする。同じくCで始まるのだが、C Am C/G ここまでは一回目と同じだが、続いて F/G Bb D という和声進行で、一挙にニ長調に転調する。最後のBb から Dへの進行は機能和声としては説明し難い。しかし、この部分は急に世界の色彩が変わるような劇的な効果をもっている。
ご参考までに、上記の模式的な譜面を音にしたものをこちらにおいておきます。
三回目は一回目と同様の進行で、ニ長調で演奏される。