マルティヌーの最初の交響曲の出だしは不思議な音響である。スコアを見てみると一筋縄ではいかない書法が見られる。一瞬で過ぎる序奏であるし、ピアノの使い方は明らかに装飾的で(単なる半音階)、ひとつひとつの和音が厳密に聞かれることは意図していないと思われるが、いろいろと芸は細かい。
最初の4小節のスケッチを示す。(文脈上、原典のbをaisに、asをgisに、 f をeisにしたところがある)大雑把には最初の2小節がBmで続いて2小節がB Major、5小節目にEb on Aになるという仕組みだが、minorからmajorに推移するところの処理が独特である。
5小節目に出てくるホルンのe は間違いかとも思ったが、わざわざナチュラルをつけてあるし、こういう音なのだろうな。他が全部esなのでほとんど聞き取れないが…