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Jun Yamamoto 音楽を語る

クラシックのおいしいところをつまみぐい http://jun.la.coocan.jp

Schubert Piano Sonata No. 20 D 959 post.

某所で話題になったシューベルトの最晩年のピアノソナタである。弦楽四重奏第15番にも執拗な固定音程のペダルとでもいったものが見られるが、この曲では、調性すら危うくなりほとんどコントロールを離れてしまっているように聞こえる。

第一楽章の285小節目から、ほとんど調性が追い切れない。特徴的な四分音符二つの動機も d h e b g c cis fis dis gis e d f gis f d e gis となんとなく a mollを目指しているようではあるが、混沌としている。

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第二楽章の中間部に至ってはさらに徹底している。

右手の速いアルペジオが始まり、一旦c mollに落ち着いたかに見えるが(cis mollの曲であるから既に非常に調としては遠いのだが)

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Db=C# majorの和音を経て、e mollにいたり、さらにFmの和音からあっさり半音上がってF#mに至る。

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107小節目は左手はC#mの四六の和音でcis mollであろうが、111小節目に至って、右手はcis e g (C#dim?)さらにバスがaisとhのトリルである。右手のスケールはe moll ということはaisが倚音で、バスはhなのか? 

114小節目で左手はクロマティックになってしまい、右手はeのオクターブ、116小節目でバスがcisに落ち着き右手はなおもクロマティックではあるが、小節頭のe があるのでC#mを感じさせる。

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120小節目から右手がC#mになって左手も明瞭にcis mollとなって原調に戻ってきたことが明確になる。

そのあとだが、126小節目の右手のDは奇妙で、あえて言えば、cis mollのナポリ6だろうか。128小節目 130小節目とDの三和音を強調して、D durあるいはA dur を思わせるが、133小節目はC#mの四六となり、

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cis mollのドミナントを強調していくのだが、また141小節目でC# majorの四六になる。次の143小節目の和音は実に奇妙に響く。

ここはおそらくcis mollのドミナントであるG#7の根音抜きの形、が左手で右手をクロスして高音で示され、右手のais は gis の倚音なのであろうが、耳が迷う。(下からais dis fis his であり、Cm7b5の第三転回形)145小節目にやっとais はgis に解決してCis durとなる。