高校のデコボコオーケストラで演奏したことのある懐かしい曲です。もちろんモーツァルトの、いや古典交響曲の最高峰であり、41番のジュピターとならんで奇跡といっていい名曲であります。
この第三楽章のMenuettですが、ほぼ2-3声部からなる単純な、しかし絶妙の楽想からなっており、主部の終わり近くの掛留音の積み重ねが美しくかつ力強く響きます。曲の骨組みだけ示すと、次のようになりますが、これだけで十分音楽として成立しています。楽譜中、r は掛留音、p は経過音です。音もこちらにおいておきます。
これだけ単純なものですし、基本的に2声でできていますので、上下入れ替えてもほぼOKになります。実際、オーケストレーションの中では、上下が入れ替わっている部分もあり、作曲者の意図は上下にかかわらず対位法的に使えるようにということだったと思います。
いらざるいたずらですが、上下を入れ替えたものを作ってみましたので、ご覧ください。ごくわずか、どうしても四六の和音になってしまったりするところは最小限直してあります。音はこちらです。