英国グラナダテレビのジェレミー・ブレッド主演の「シャーロック・ホームズの冒険」は質の高いドラマ・シリーズだった。惜しくもブレッドはなくなってしまったが。
このシリーズの音楽を手がけたのがパトリック・ゴワーズだ。このシリーズの音楽を集めたCDにオープニングテーマの楽譜が最初の10小節分だけついていた。
弦5部にクラリネット1本、ホルン1本、それにシンセサイザーという実にシンプルな編成ながら、見事な導入テーマとなっている。
せっかくなので、残り半分を拙いものではあるがCDを聞いて再現してみた。最初の9小節がいかに上手く書かれているかがよくわかる。orz
注目したいのが、9小節目からの二本の管楽器のラインである。順次進行で上がっていって、音楽を盛り上げている。また、弦楽器のトレモロが効果的で、バイオリン・ソロが旋律を歌い終えてトレモロになるところも大変効果的である。一分ほどの短い音楽で見るものをヴィクトリア朝の霧深いロンドンに引き込んでしまう、見事なプロの仕事だと思う。音はこちら。(楽譜をフィナーレに打ち込んでGarritan Personal Orchestra 4 でレンダリングしたものである)