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Jun Yamamoto 音楽を語る

クラシックのおいしいところをつまみぐい http://jun.la.coocan.jp

Beethoven Piano Sonata No.8 "Pathetique" Movt.1

超有名なベートーベンのピアノソナタ第8番「悲愴」作品13の第一楽章であります。子どものころに初めてマトモな曲を弾かせてもらった、その最初がこれだったように思います。ハイドンモーツァルトピアノソナタにはないダイナミズムがあって、難しいのも難しいのですが、独特の和音進行が魅力的であります。これが、ベートーベンのきわめて初期の作品なのに完成度は高いですね。

これにもメロディーが順次進行で上がっていき、かつバスが順次進行で下がっていくところがあるので、和声付けを調べてみます。

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トップはes からはじまってe f g as a b c des d es バスはc から始まって、b as g f es d c b as g となっています。一回目は、このあとhを出して Eb aug(?)からAb Bb7でEbにもどるのに対し、二回目は、g e bの三和音(C7の主音抜き?)からFm Bb7となってEbにもどります。

再現部は、

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EbではなくCm からCmにもどる構図になっています(音はこちら)。まあ、いずれにしてもどたばたした音形であまり弾きやすいとは思えません。見難いので図式化して書いてみます。

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いかにも配置が悪い。赤で囲ったところは3度音が抜けたり、和音になってなかったり。左手が低い場所で密集するのでどうしてもごろごろした感じになる。この辺がベートーベンの垢抜けないところでしょう。モーツァルトなら絶対こんなことは書かないし、ハイドンでもないでしょう。

再現部にも、下降していく形ですが、順次進行の面白い部分がありますので抜き出して見ます。

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第一主題の再現のあとスタッカートのついた二分音符でトップはc as f es des b as bと下がってきて、バスはc c des es f ges as と上がってくるのですが、ここで7度音だったはずのバスのas が消えてしまいバスがdに飛ぶところがなかなか新鮮です。同じことをC7 の b が eに下がる形でもう一度やって、ヘ短調の第二主題の再現となります。