Jun Yamamoto音楽を語る

Jun Yamamoto 音楽を語る

クラシックのおいしいところをつまみぐい https://jun-yamamoto.wixsite.com/jun-yamamoto

Rossini "Semiramide" ACT I Ending

ロッシーニの音楽は多少の例外はあるにせよ、どんなに深刻なドラマが舞台上で進んでいようが、お構いなしに楽しく明るい旋律・和声・リズムが続くのだが、ここぞというところではちょっとだけスパイスをきかせる。

長大なオペラ「セミラーミデ」の第一幕の幕切れの部分。ちょっとした和声の不意打ちが用意されている。お話は、殺された王の亡霊が出てきてとんでもないことを言って消えたところで劇的な部分なのは間違いないのだが。

ハ長調で、最初にEb(同主短調のIIIの和音)をかましておいて、途中に出てくるC♭7が不意打ちで、これは次に出てくるCdim7 がハ長調のドッペルドミナント(D7♭9)で、その代理として出てくる(実質B7の和音であるが)。脅かすのはここだけで、あとは平和な和音進行が続く。

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