このパガニーニの主題では多くの変奏曲が作られているが、このブラームス謹製もなかなかのものである。ピアニスティックである。ここで取り上げるのは第一集の第13変奏である。
6小節目は左手は明らかにDmであるが、右手はG# G E といった倚音が使われている。それぞれ解決はしているし、速度が速いので一瞬「あれ」と思うだけだが、一拍目から二拍目にかけてDm9 11といった近代的な響きを残す。同様に、8小節目も左手はCの和音だが、右手の倚音により聞き様によってはC add グリッサンドの塊の中で解決していると考えられる。
。9-11小節目も宙に浮いたそれぞれG、E、FはYouTube にKissinの演奏があった。
10分54秒くらいから第13変奏である。