昭和歌謡の名曲、欧陽菲菲さんの絶唱で有名な「ラブ・イズ・オーバー」をJUJUさんがカバーしているのだが、これの編曲者が松浦晃久さんで、そのリハモナイゼーションがチャーミングなので、コピーしてみました。音はこちら。
最初の部分はほとんど原曲を忠実になぞっている。
さびにはいって、18小節目の後半I7(B7)の代わりにG#7#9を配して一瞬C# minor(嬰ハ短調)を響かせる。
20小節目の後半からは更に凝っていて、D#m7からD7を経てC#m7/F#7のII-Vに行くと見せかけてまさかのFm7b5(E#m7b5)を出して一瞬D# minor (嬰二短調)=主調から言えばIII度調 へ一瞬転調する。また本来ならば Fm7b5はBb7につながるべきところ、Bb7の代わりに裏コードであるE7b5をもってきているので更に複雑になっている。しかし、実際に演奏されたものを聞くと新鮮でありながら実に自然な流れになっている。
終わりの部分も工夫がある。27小節目はずっとD#m7 (IIIm7)だったのを、I7しかも7th 9th 13thのテンションを配して新鮮な響きとしている。29小節目は本来属和音であるF#7が来るべきところA7b5(VIIb7)に逃げてみている。
往年の名曲がリハーモナイゼーションで装い新たになっている。しかも原曲の魅力は寸分も損なわない。上手いもんだなぁ。