Jun Yamamoto 音楽を語る

クラシックのおいしいところをつまみぐい http://jun.la.coocan.jp

Shostakovich Symphony No.5 Movt.4

ショスタコーヴィチ交響曲ではおそらくもっともよく知られた曲だと思う。最終楽章は、ニ短調で始まって、最後はニ長調で輝かしく締めるのだが、この最後の部分の和声構造を見てみたい。音はこちら

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音楽はもう第4コーナーをまわっており、最後の全終止に至るところだが、弦と木管はひたすらしつこくC#を鳴らしている。もちろんこれはニ長調になってDに解決するわけだが、その直前にショスタコーヴィチが仕掛けたのは、まずトランペット三本によるC#の長三和音である。これは各小節ごとにトップのパートが入れ替わるという「小細工」が仕掛けてある。317小節目にホルンがBを鳴らして、和音はC#7/Bっぽくなる。319からトロンボーンがこれもオクターブでGを加え、ここでG-C#という増4度が形成されて、ドミナントA7が準備されている。321小節目でバスにAが鳴るが、ここの和音は、下から A  G  B C# E#(F) G# となっており、一筋縄ではいかない和音である。あえていえば A7#5 #7 9 で、GとG#がいっしょに鳴るし相当不協和である。次の小節、ニ長調にはいる直前で不協和だったトランペットのG#を半音上げてAとし、さらにホルンのBを半音下げてBbとして、めでたくA7 #5 b9となって、主和音Dに解決する。

鈴木真希子ハープソロリサイタル 2017

代々木上原ムジカーザでのハープソロリサイタル。世界初演を2曲含む、バリバリの現代音楽プログラムである。にもかかわらず、ハコは狭いが大盛況。

ハープが、奏者(小柄なのに)と一体となってよく鳴る。そうだよね。ハープってのはアルペジオをするように作られている楽器なんだ。アルペジオグリッサンド、両手を使って二弦以上をつかうトレモロ、そういうことは得意なのだということがよくわかりました。間違ってもジャズでピアノがアドリブを取るような音使いをしてはいけない。反省しています。

私は橋本作品が気に入りました。音の選び方が実にきめ細かく美しい。露木作品も好きです。両手にちょっと違うことをさせる、というのが上手いなと思いました。後半のシェーファー作品は「独奏ハープと打楽器のための」とサブタイトルがついているだけににぎやか。ハープも打楽器を同時に演奏しないといけないのか。実に上手く書いてある。ほとんどシンフォニックといっていい効果をハープと、独奏者が同時にならす打楽器で出している。

大変意欲的な演奏会でした。不思議だったのは、客席がゲンダイオンガクの演奏会とは思えないほどにぎやかなこと。もちろん演奏中は静粛なのだが、曲間になると大変なごやかな雰囲気。これも鈴木さんのお人柄でしょうね。

 

Canon at 2nd

2度のカノン。アルトからスタートして、一小節遅れてソプラノが追いかけます。バスは自由声部で3声。音はこちら

バッハのゴールトベルク変奏曲同様、冒頭はアルトが伸ばしている主音に二度上のソプラノが重なって、アルトが掛留になる形を踏襲しました。

短すぎたですね。あと、15小節目のFは唐突かもしれない。

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Canon at 5th by inversion

5度の反行カノンに挑戦したのはいいのだが、挑戦しただけみたいな(´д`|||)

前半はアルトのテーマを一小節遅れでソプラノが模倣。後半は、2小節遅れで模倣します。結論:反行カノンって難しい。音はこちら。(追記:ちょっと修正しました。14小節目の頭を強進行にしたのですが、トップのgが倚音になっちゃいました。ごめん)

 

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Canon at 3rd

大バッハゴールドベルク変奏曲に影響されて、7度に続いて今度は3度のカノンを書いてみました。あんまりうまくない。ああでもないこうでもないとやってみるとバッハの偉大さが身に沁みます。音はこちら。テーマはアルトから出て、2小節後に3度上でソプラノが追いかけます。

 

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Brahms String Sextet No. 1 Movt. 3

ブラームス弦楽六重奏曲第一番の第3楽章の中間部(トリオ)。

主部がAllegro moltoの指定で、トリオはAnimatoになっている。この真ん中の部分がはっちゃけていて好きである。

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へ長調からフォルティッシモハ長調になり4音の音階をあがるフレーズを繰り返して勢いをつけておいて、小節半ばから半音上の変二長調に「むりくり上がる」。

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勢い余って上下に赤線を引いた部分はほとんどユニゾンになってしまっている。Dbのバスの上で変ト長調から変ロ長調にもどってきて、

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めでたく主調のへ長調にもどる。

 

 

8/14(月)Special Gig! in satin doll

8/14(月)"Special Gig! in satin doll"を聞いてきましたので、メモ書きです。

Johan clement (P)(ヨハン クレメント)
Bart De Nolf ( B)(バート デ ノルフ)
Luc Vanden Bosch(Ds)(ルク ファンデンボス)
千景(Vo)
Eliko (Fl) 

 

最初にフルートをフィーチャーしたLa Fiestaですが、最初の曲なので仕方ないのですがいまひとつ乗り切れない感じ。フルートは全体を通して、上手いのだけれどスウィングしきれていない感じがつきまといました。

ヴォーカルの千影さんは、プロのエンターテイナー。ツボを押さえたMCと歌で盛り上げてくれましたが、会場全体フルスイングとまでは行かなかったのが残念。おそらく来日したトリオとの間でのリハもたっぷりとは行かなかったでしょうし、無理もないとは思います。Caravanではベースとピアノが裏返ってしまって、これはマイナス。おそらくトリオの普段のレパートリーではないのでしょう。トリオだけでの演奏はクオリティを保てていたと思いますが、遠く離れた異国、日本での演奏はさぞやお疲れになったことでありましょう。

最後に、アンコール二曲があったのですが、これはどちらもいい出来だったと思います。リラックスした演奏でしたし、キレがありました。第二ステージの頭からあのくらいのドライブがかかってればなぁと聴衆としては思いますが、いたしかたないところ。オランダから来日のヨーロピアントリオが「ルート66」で締めるというのも微妙ですが(笑)