Jun Yamamoto音楽を語る

Jun Yamamoto 音楽を語る

クラシックのおいしいところをつまみぐい https://jun-yamamoto.wixsite.com/jun-yamamoto

Canon at 2nd

2度のカノン。アルトからスタートして、一小節遅れてソプラノが追いかけます。バスは自由声部で3声。音はこちら

バッハのゴールトベルク変奏曲同様、冒頭はアルトが伸ばしている主音に二度上のソプラノが重なって、アルトが掛留になる形を踏襲しました。

短すぎたですね。あと、15小節目のFは唐突かもしれない。

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Canon at 5th by inversion

5度の反行カノンに挑戦したのはいいのだが、挑戦しただけみたいな(´д`|||)

前半はアルトのテーマを一小節遅れでソプラノが模倣。後半は、2小節遅れで模倣します。結論:反行カノンって難しい。音はこちら。(追記:ちょっと修正しました。14小節目の頭を強進行にしたのですが、トップのgが倚音になっちゃいました。ごめん)

 

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Canon at 3rd

大バッハゴールドベルク変奏曲に影響されて、7度に続いて今度は3度のカノンを書いてみました。あんまりうまくない。ああでもないこうでもないとやってみるとバッハの偉大さが身に沁みます。音はこちら。テーマはアルトから出て、2小節後に3度上でソプラノが追いかけます。

 

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Brahms String Sextet No. 1 Movt. 3

ブラームス弦楽六重奏曲第一番の第3楽章の中間部(トリオ)。

主部がAllegro moltoの指定で、トリオはAnimatoになっている。この真ん中の部分がはっちゃけていて好きである。

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へ長調からフォルティッシモハ長調になり4音の音階をあがるフレーズを繰り返して勢いをつけておいて、小節半ばから半音上の変二長調に「むりくり上がる」。

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勢い余って上下に赤線を引いた部分はほとんどユニゾンになってしまっている。Dbのバスの上で変ト長調から変ロ長調にもどってきて、

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めでたく主調のへ長調にもどる。

 

 

8/14(月)Special Gig! in satin doll

8/14(月)"Special Gig! in satin doll"を聞いてきましたので、メモ書きです。

Johan clement (P)(ヨハン クレメント)
Bart De Nolf ( B)(バート デ ノルフ)
Luc Vanden Bosch(Ds)(ルク ファンデンボス)
千景(Vo)
Eliko (Fl) 

 

最初にフルートをフィーチャーしたLa Fiestaですが、最初の曲なので仕方ないのですがいまひとつ乗り切れない感じ。フルートは全体を通して、上手いのだけれどスウィングしきれていない感じがつきまといました。

ヴォーカルの千影さんは、プロのエンターテイナー。ツボを押さえたMCと歌で盛り上げてくれましたが、会場全体フルスイングとまでは行かなかったのが残念。おそらく来日したトリオとの間でのリハもたっぷりとは行かなかったでしょうし、無理もないとは思います。Caravanではベースとピアノが裏返ってしまって、これはマイナス。おそらくトリオの普段のレパートリーではないのでしょう。トリオだけでの演奏はクオリティを保てていたと思いますが、遠く離れた異国、日本での演奏はさぞやお疲れになったことでありましょう。

最後に、アンコール二曲があったのですが、これはどちらもいい出来だったと思います。リラックスした演奏でしたし、キレがありました。第二ステージの頭からあのくらいのドライブがかかってればなぁと聴衆としては思いますが、いたしかたないところ。オランダから来日のヨーロピアントリオが「ルート66」で締めるというのも微妙ですが(笑)

 

 

Canon at 7th

バッハの7度のカノンを勉強したので、自分でも書いてみようと思い立った。一応できましたがね。いろいろこれも勉強になりました。音はこちら。PDF版も一応こちらにおいておきます。

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3声で、アルトが先行し、ソプラノが7度上で同じ音形を繰り返します。バスは自由声部になっています(これがないと到底無理)。

 

バスが自由という条件でもなかなかむずかしく、3小節目のアルト4小節目のソプラノはせっかくタイで引っ張ったのにちゃんと掛留になってない。5,7,8に掛留を置けたのでまぁいいことにしました。でも、4小節目は何か芸をしないとだめだな。

後半は、本来なら属調へ長調にしてes ではなくe にした方がいいのかもしれませんが、この方が響きがやわらかいのでそのまま変ロ長調にしてあります。12小節目にアルトに掛留、

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13小節目はソプラノ・アルトの二重掛留です。16小節目頭はソプラノとバスがオクターブで一応アルトは掛留なのですが、あんまりかっこよくないです。許してくれ。17小節目、20小節目には何とか掛留をおきました。

フーガの方が自由度が高いので書きやすいですね。カノンで旋律を歌わせるのはなかなか難しい。バッハというか、あの時代の人は感覚でかけたのでしょうねぇ。

 

Bach Goldberg Variations 21. Canon at the Seventh

7度のカノン。どうやったらこういうものが書けるのかは謎だが、はっきり譜面に記されている以上、分析することは可能である。

 

3声で、上二声がカノンになっており、バスがついている。バスの半音下降に伴うハーモニーの移ろいが美しい。楽譜中、rは掛留音、pは経過音、bは刺繍音、a は倚音である。

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Em7b5はC7と考えれば、D7/F#-Dm/F-C7/E-Cm/Eb-D7という進行になる。2小節目のソプラノのDからCと、アルトのDからCの動きが並行していてちょっと気になるが、バッハなので許されるのだろう。

この曲では増三和音がところどころに顔を出して強い印象を与える。3小節目3拍目裏のEb G B という和音バスもソプラノも刺繍音であろうが、一瞬増三和音がなる。もっと顕著なのは、4小節目冒頭。ここはおそらくBbの和音中に中声が倚音としてF#をもっている(後にソプラノのGに解決する)とでも考えるのだろうか。

(追記)4小節目3拍目、内声のDは掛留音だとすれば、Cに解決しているが、Cm/Gだと四六の和音になってしまう。解決する時にはソプラノのEbが鳴り終わっているので、これはこれでいいのでしょう。(追記終り)

5小節目の1拍目裏もD F#にソプラノのBbを加えると増三和音になる。(厳密には減6度だが)5小節目の冒頭はソプラノのCは掛留音であるが、これが裏でBbに解決したとき、他の声部はすでにDの三和音に遷ってしまっているために、このBbは解決音であるとともに経過音ないし倚音という込み入った事情になっている。

 

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増三和音は7小節目の2拍目裏にも出てくる。ここでアルトがF# になって和音はD7と考えられるが、バスが順次進行でBbを通るために一瞬増三和音がなる。次の3拍目もかなりアクロバティックである。和音はEbかと思われるがすぐGが鳴らなくなるために一瞬宙に浮いたようになるが、4拍目ではっきりEbになる。8小節目の3拍目、バスの2つ目のBbの音は和音が一瞬Gmになると考えるべきか。いずれにせよここではほぼ2声になっているのであまり問題ではないが。

 

後半(9小節目以降)も半音下降進行のバスを伴う。10小節目の2拍目のアルトの入りも少々無理があるが、これは小節頭にAを補って考えればいいか。11小節目の3拍目のアルトのEbも解釈が難しい。Abの和音かと思うが、ソプラノは明らかにGの掛留音がFに解決しているので両方の顔を立てるとFm7だろうが、この7度音(Eb)は解決しないことになる。??

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13小節目3拍目のソプラノ冒頭のEのおとも無理スジだが、アルトが3度で寄り添っているので響きは問題ない。

あとはそれほどアクロバティックなことはなく終結する。最終小節の2拍目はAbの和音で、これは主調ト短調ナポリの6度である。

グールド版がYouTubeにあった。

www.youtube.com