シェーンベルクが十二音技法になる前の作品。一応ニ短調で始まるのですが、到底一筋縄ではいかない。どれが倚音でどれが掛留でどれが和声音なのかわからない。
一応、非和声音と思われる音に赤丸をつけてみましたが…
導音や七度音も解決されずに放っておかれてるみたいだし、普通の意味でのカデンツも成立していない。一応主和音(Dm)ではじまり、ドミナント(A7)を経て主和音の代わりに6度の和音(Bb)に解決しているように見えますが、いろいろな解釈が可能で、調性が多義的になっているとでも申しましょうか、緊張感を湛えた不思議な音楽です。音はこちら。