Jun Yamamoto音楽を語る

Jun Yamamoto 音楽を語る

クラシックのおいしいところをつまみぐい https://jun-yamamoto.wixsite.com/jun-yamamoto

Bach Well-Tempered Klavier I No.4 C# minor Fuga (3)

続きです。

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1小節目、ソプラノとテナーが同じような動きをしているために妙な感じになっています。最初のソプラノのG#は嘘掛留ですから次のF#は刺繍音ですが、しかし、二拍目表ではバスがAなのでソプラノのG#は落ち着きどころがなく、結局経過音として扱うしかないのでしょうか?

2小節目はG#mで決まりですからG# minorかと思うとA#ではなくAがなっていますし、よくわかりません。

3小節目はソプラノは型どおりの掛留音でF#mに解決します。二拍目のソプラノのG#は経過音と考えてよいと思います。二拍目からC# minorで主唱がテナーに出てきます。

ここでは対唱が出てきませんが、青の枠で囲ったように同じ音形を繰り返して構造を保っています。

6小節目、F# minorを通って

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1小節目二拍目からVII度調のB minorでバスに主唱、4小節目の二拍目からIII度調の E majorでアルトに主唱。1小節目の二拍目の和音は何なんでしょうね。C#m7#6みたいなことになっていますし、その裏は7度音であるべきBが二つ重なっちゃってます。ソプラノはいずれも経過音と捉えるのでしょうね。

2小節目、一拍目はまごうことなきF#7でB minorですが、ここでもことさらにA#をソプラノのBにぶつけた上、同じくBで終わって妙な進行です。

3小節目、C#m7からF#7の第二転回形でEに解決するのですが、4小節目の頭はどうも四六の和音臭い。しかし、その裏がBの和音で正規なのだとしたら一拍目は掛留ないし倚音によるものということになるでしょうか。もちろん二拍目はすべて経過音となります。

5小節目は一拍目はBの和音ですが、バスのG#は何なんでしょうね。

6小節目はソプラノに掛留を置いてB7から7小節目でEに解決してE majorを確立します。バスのB B E A はちょっと不自然ですね。