PucciniのTurandotの冒頭部分は、オクターブ12音の内、半音階的に動くところと装飾的な64分音符を除けば9音でできているかなり挑戦的なものだ。無理に解釈すれば、バスにFis Cisの五度がくること、冒頭がa であることを考えれば Fis moll であろうか。移動ドでよめばド ソ# レ ミ ラ ミ♭ シ(=ド♭) ファ ソ (ミ)となり、そのあと、C# Major on Dm とでもいうべき和音に落ち着く。無理に書けばDm M7 (#11)である。この和音(マイナーとメジャーを重ねあわせ、一音だけ共通音を持つ)は非常に特徴的である。このあとこの和音はそっくり長三度下(BbmM7(#11))に行ってまたもどってと、かなりしつこく引っ張って、最後さらにCmM7(#11)でフェルマータ。次のアレグロも基本的にはBbmの和音である。
(譜面はGuido Zuccoli編曲のピアノリダクション(1929))