プッチーニの傑作「トゥーランドット」に出てくる中国民謡「茉莉花」の引用部分をとりあげる。最初の部分では児童合唱で出てくる。このテーマは繰り返しあらわれる。
そもそも「トゥーランドット」は冒頭、12音中9音を使ったテーマから始まるという、かなり過激な音遣いがあって(a eis h cis fis c as d e)、前衛的といってもいいのだが、この愛らしいエピソードに関しては、比較的マイルドなリハーモナイゼーションが行われている。基本的に最初の4小節の和音進行の繰り返しであり、E♭とD♭の和音の交替はE♭のミクソリディアンといっていいであろう。途中勢いでG♭の和音が出てくるが、長三和音の並行進行と考えていいのではなかろうか。
全曲版がYouTubeにあったので該当部分にリンクを張りました。
(おまけ)オリジナルの「茉莉花」のテルミン・バージョンをご参考までにどうぞ。演奏・伴奏ともテルミン奏者三毛子によるものです。