Jun Yamamoto 音楽を語る

クラシックのおいしいところをつまみぐい http://jun.la.coocan.jp

Mozart Piano Sonatas K333 and K533

吉田秀和さんの「モーツァルト」の中で、モーツァルトにおける「バッハ前」「バッハ後」という話があって、K333とK533を比較している。どちらも第2楽章に出てくる対位法的な部分なのだが、まずK333の方。

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吉田さんも書いているが、ここではモーツァルトが自分の「よすぎる耳」をもてあましているように感じられる。譜例冒頭の前はBb7(変ホ長調の属和音)なのだが、E F# Aという冒頭の和音はいかにも唐突だし、その後も音が「薄い」。やりたいことはあるのだが、手がついていっていない感じがある。(この辺で世のモーツァルトファンのほぼ80%を敵に回したな)

つづいてK533の方。

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譜例の2小節目A/C#のコードから突然Fで入るのもむちゃだが、そこは置いておくとして、確かにK333に比べればはるかに豊かな書法にはなっているが、いかにも作り物めいた感じを受けるのは私だけだろうか(だけだろうな。いいんだけどさ)
これだけ凝ったことをやっておいて、「最後はこれですか」という感じなのですよね。このF7の和音がね。

以上、死んじゃってるので反論できないモーツァルトさんへのけちつけでした。