シベリウスの第3交響曲の第3楽章。練習番号8の手前のところ。ほぼ全員で8分音符3つのモチーフを繰り返しながら上がっていくところなのだが、ちょっと変わった響きを持っている。
上の譜例(音はこちら)の10小節目だが、Gb になっている。ここの和音はCの保続音の上にBb Db Fb(E) が鳴っており、あとG が鳴ればめでたくG上の減七和音となり、おそらくは譜例の12小節目の明らかなAb Majorへのドミナント、すなわちEb7b9の根音抜きと考えられるのだが、シベリウスはGbに固執するのである。
となるとこれは、Ab Bb C Db Eb Fb Gb という音階になる。・・・あまりオーセンティックではない。シベリウスの発明なんでしょうね。
因みに、このGbをGに変えてやると下記のようになり、響きは伝統的になるが、これはシベリウスの避けたかったところなのでしょう。(音はこちら)