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Jun Yamamoto 音楽を語る

クラシックのおいしいところをつまみぐい http://jun.la.coocan.jp

Wagner "Ride of the Valkyries"

ワルキューレの騎行(Ride of the Valkyries)』は、ワーグナーの楽劇 『ニーベルングの指輪』の第一夜 楽劇『ワルキューレ』の第三幕の前奏曲です。

このブログ、手当たり次第にいろいろなものを取り上げてきたので、筆者自身も何をいつどういう形で取り上げたのか忘れていて、「これやってないよな」というのを確認しないといけない。前回ワーグナーを取り上げたのは、ジーグフリートの葬送行進曲だったから、ワルキューレの騎行はまだでした。

どうもこの曲は「ソ、ドッソドー、ミー、ドー」の「ドッソドー」をアウフタクトに感じてしまうのですが、そんなことないですか。ないですか。そうですか。

この前奏曲一曲で、和声上の大発明といっていい曲だと思うのですが、そう思う所以をご説明します。

最初にテーマの提示があって、その次の部分ですが、こんな感じ。例によって音楽の骨組みだけを取り出した譜表で示します。(音はこちら

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譜例の5小節目でGの増三和音が出てきます。これが大変特徴的なのですが、Bの代理とみなして、Eの和音に解決します。その後はFとC/Gの繰り返しで一回そらしておいて、これも例外的処理ですがF#に行きます。一種の偽終止(F→F#(Gb))と考えてもいいかもしれません。更に半音上がってGの増三和音です。もう一度C/Gを経てF#、これをドミナントとしてB Majorに入って、主題が繰り返されます。

この後が、大胆な部分です。音はこちら

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B Majorの主和音に落ち着いたあとは、いろいろトリルとか半音の修飾とかありますが、取っ払ってしまえば、すべて長三和音の非機能的な連続です。

BーG-E-Cという三度の下降の形は大得意で、またまねもしやすいので、後の作曲家も多用しています。ポピュラー音楽でも使われますね。

一旦F#に落ち着いてさらに F#-(長三度下降)D-(減5度下降)G#-(長三度下降)E(半音ずつ上行)-F-F#ーGー(5度上行の弱進行)D-(半音下降)C#-やっとドミナント進行が出てきてF#へ。この後、またテーマにもどって、しばらくするとおなじみのGaug Gの増三和音が出てくるのですが、(音はこちら

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こんどは前回のようにF#から半音上がって入るのではなく、Bから長三度下がって入ります。ここは新鮮に響きます。さすがWagner。