Jun Yamamoto 音楽を語る

クラシックのおいしいところをつまみぐい http://jun.la.coocan.jp

Herbie Hancock Solo in The Eye of the Hurricane (1965)

ハンコックがMaiden Voyageというアルバムを出したのが1965年。ここで聞くことのできるイディオムを多少なりとも消化するのに50年かかっているとはなんたることであろうか>ワシ

日本のピアニストでも坪口昌恭さんあたりは、ハンコック節を完全にマスターしておられるのは知っているが、なかなか理屈ではまねできないところがあるんだよねぇ。

ここではMaiden Voyageに収められたThe Eye of the Hurricaneのハンコック先生のソロを取り上げるが、これをコピったのは私ではない。リットーミュージックの藤井貞泰先生のご本をみて作りました。はい。

この曲は周知の通りマイナーブルースということになっている。F minorのブルースですな。12小節で一単位となっている。

F minorのブルースといってもモーダルな捉え方なので、軸になる音はFに留まったままだが、スケールはまるで粘土のように自由自在に姿を変える。

まず、F minor であるから、F G Ab Bb C Db Eb の音階のほかに、メロディックマイナーとしてD E は当然、ハーモニックマイナーとして、E は当然出てくるし、Dも F Dorianの形で自由に登場する。更に、短調を特徴付けているAbも好きなようにAナチュラルになっちゃうし、Diminished Scale が自在に使われる。間を埋める形での半音階の使用は当然である。

また、音階音でない音が倚音の形でぼこぼこ出てくるし、倚音のままで解決せずにほったらかし、ひどいときはフレーズの最後が非音階音だったりする。

さらに、あらゆる形のスケールアウトが頻出する。スケール音とスケール音の間を半音で埋めるスケールアウトに加え、半音上から、半音下から、3和音4和音の形でのアプローチが自由自在になされている。

しかし、何でもアリというわけではないのだな、これが。そこがセンスというか、なんというか、そう簡単にマネができない所以なのであろう。そんな感じ。

明らかに理屈のつくスケールアウトには説明を入れてみました。音はこちら。これだけ聞いてもなんのことやらですけど。

 

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