Jun Yamamoto 音楽を語る

クラシックのおいしいところをつまみぐい http://jun.la.coocan.jp

Prokofiev Symphony No.6 Movt. 1 & 2

とにかく妙な曲である。「戦争の悲惨を忘れてはならない」というのだが、確かに1,2楽章とも陰鬱な音楽であるが、それ以上にプロコフィエフの大半の音楽に比してかなり実験的であり、響きもあまりよくないように思う。案の定、この曲はジダーノフ批判にさらされることになる。

第一楽章の冒頭を示す。金管で音階を降りてきて、最初のテーマが出るのだが、どうも調性は調号からいってもEb minor らしいとは思われるものの、音の動きは不穏で、どうやって和声付けするのか心配になる。実際、この旋律は展開されるものの、完全な和声を伴っては結局最後まで登場しない。音はこちら

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第一楽章も相当に奇妙だが、第二楽章もこれに輪をかけて奇妙である。出だしのがらがらした部分のあと、はっきりした旋律が出てくるが、調性があいまいである。音はこちら

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1のところ、和音が特定できない。2から旋律が始まるが、Ab Majorであろうとは思うが、3のところで伴奏はGbを演奏しており(ここの和声も相当無茶でありあまり美しいとは思えない)、Db Majorか?と思っていると4のところで裏切りのGナチュラルが出てくる。この「C Bb G Bb F」 の16分音符のフレーズはめちゃめちゃ変だと思うが、そう思いません?

5のところの32分音符の5連符も唐突である。6の部分、やっとDb7におちついたかと思うとまた、C Majorっぽくなって、7の4つの8分音符は半音進行の塊である。(響きは悪くないが)もうこの曲では、プロコフィエフは対斜を意図的に使うことから一歩進んで、対斜なんか気にしないもんねという作風に進化しているように思われる。