(4)の続きです。
ここでいよいよ二つの主題(主唱)が同時に出てまいります。最初の小節にバスでF# minor(主調の下属調)で第一の主題が、2小節目にそれにかぶせるようにしてソプラノに第二の主題が同じ下属調ででてきます。その間を刺繍音形がつづっていきます。意図したものか、イマジネーション赴くままか、和音は自由に動きます。
第一小節目、二拍目のアルトのC#がよくわかりません。鍵盤楽器で弾けば、ソプラノの伸ばしているDナチュラルがあるので経過音っぽく聞こえますが、やっぱり特別でしょうねぇ。そうすると和音は二拍目は表がDで裏がBm7ということになるでしょうか。二拍目の裏は一瞬四六の和音になりますが、これは経過音ということで許されるでしょう。2小節目はC#7-F#mで型どおりですが、次に3小節目でEらしい和音につながります。調性はA Majorなんでしょうかねぇ。次がDになって弱進行ですね。間にF#mが入っているという解釈は・・・ないだろうな。
4小節目からA Majorでアルトに第一主題が出てきます。これにつづいて5小節目でバスに第二主題が同じくA majorで。主調のC# minorからみればVI度調、並行調の下属調ってことですかね。
テナーはずっと刺繍音形をつづけています。2小節目からもういちどアルトに第二主題がA Majorででてきて4小節目にソプラノに主調のC# minorで第一主題が、畳み掛けるように5小節目に第二主題がでてきます。ここではC# minorの第一主題(ソプラノ)は最初の二拍は、Aの和音の中にありますが、すぐにF#mを通ってC# minorに抜けます。