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Jun Yamamoto 音楽を語る

クラシックのおいしいところをつまみぐい http://jun.la.coocan.jp

Bach Well-Tempered Klavier I No.4 C# minor Fuga (4)

続きです。

 

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ここから装飾的で特徴的な音形がソプラノに登場する。「ミレミファミレドミ」(長調であれば「ソファソラソファミソ」)である。この音形は、最初の4つはミを中心に刺繍音となっており、後半の四つはミとドが本体であることを示唆している。この形は、上手くV-Iの和音に対応するようになっている。すなわち「ミレミファ」の「ミ」はVの和音の主音であり、「ド」の音は、Iの和音の3度音なのである。(ややこしいかな。長調で言えば、「ソファソラソファミソ」が4音ずつ、VとIに対応するわけ)

最初の小節はテナーがC# minorの主唱を奏しており、3小節目から応唱がG# minorでアルトに、ここでは型どおり、テナーがG# minorの対唱を奏する。ソプラノはしつこく刺繍音形(仮にこう呼ばせてもらう)をくりかえす。3小節目ではC#m のIの和音に埋め込まれている。5小節目も同じくF#に埋め込まれている。

 

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ここからテナーに刺繍音形が現れる。アルトは対唱を繰り返す。アルトは一小節目の頭が掛留、2小節目の頭も掛留、しかし、三小節目の頭はタイで繋がっているが掛留ではない。こういうことを書くと師匠に「これは嘘掛留だね」とバカにされます。

一小節目のG#mへは、前のF#からの偽終止で繋がっています。3小節目の BからG#7への進行もテナーが刺繍音形のなかでB→B#となって対斜を起こさないようになっています。

4小節目からメゾソプラノにひっそりとC# minorの主唱が現れます。

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刺繍音形はバスに引き継がれていきますが、少々変形してきます。

わからないのは2小節目。一拍目はC#mでソプラノとバスが3度関係にあり、メゾソプラノは掛留していますが、二拍目がよくわからない。最初の8分音符はC#mの第一転回形です。次の8分音符はF#mの第一転回形、3つめの8分音符はC#mだとすると四六の和音になりますし、4つ目の8分音符はなぞの和音です。F#mといるのも無理があるし、この小節はバッハだから許される特別処理ですね。

3小節目の二拍目はソプラノのF#を7度音だとおもえば、次のEは経過音でそれほど無理はないといえましょう。4小節目からテナーにF# minor (主調の下属調で第二の主題が入ってきます。5小節目のあたまF#を打ち直していますが、掛留と考えるべきでしょう。(まだまだ続きます)