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Jun Yamamoto 音楽を語る

クラシックのおいしいところをつまみぐい http://jun.la.coocan.jp

Ravel Pavane pour unu Infante Défunte

ラヴェルのおそらくもっとも人口に膾炙している曲の一つ、なき王女のためのパヴァーヌでありますが、どうもピアノ版とオーケストラ版の違いが気になる。具体的にはハープのグリッサンドの扱いであります。

ピアノ版の最初のアルペジオは次のようになっています。

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B C EG の組み合わせでCmaj7といっていいでしょう。次のバスがAになることをかんがえればAmaj9 と考えることもできます。この部分オーケストラではこうなります。

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音使いは同じなのですが、ハープのFの弦を半音低くしてEとして使っています。本来のEとFbが同時になるという細かい芸ですね。ちなみに次の小節の頭は、ハープのBのハーモニクスです。

ピアノ版、次のアルペジオはここです。

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同じくCmaj7の形ですが、オーケストラ版は少々異なります。

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B C D F# となっていて、前のBmの和音を引きずっているようです。さらに、ピアノ版のアルペジオは次のようなところで出てきます。

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Gからはじまる4小節とCから始まる4小節は完全にパラレルです。最初の方だけ見ますと、オーケストラではこうなります。

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D F G Bb となっていて、同じくGm7ですね。二度目は5度下がります。

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G Bb C Eb ですからCm7で、ピアノ版と音の構成は同じです。クラリネットの旋律が二度高く記譜されていますがこれはBbのクラリネットを使っているためです。

結局、ピアノ版とオーケストラ版で大きく違うのは2回目だけのようですね。