Jun Yamamoto 音楽を語る

クラシックのおいしいところをつまみぐい http://jun.la.coocan.jp

Ravel String Quartet Movt. 4

ラヴェルの初期の作品、弦楽四重奏曲の第4楽章を取り上げる。

いきなり、8分の5拍子でニ短調なんだかD dorianなんだかわからない、音階がBbだったりBナチュラルだったりするトレモロのユニゾンで始まる。

 

下は、その次の部分である。主題の第1バイオリンに他の楽器が和声をつけていくが、調性があいまいになっていく。煩瑣なのでトレモロの表記ははずしてある。音はこちらです。

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和音は機能を失い、便宜上コードネームをつけてみたがあまり意味はない。並行5度がどんどん使われているし、到底伝統的な和声には縛られていない。しかし、ドビュッシーの奔放さとは一線を画す気がする。

譜例の9小節目からは第1バイオリンとビオラオクターブになり、旋律を強調している。10小節目からはXをつけたところは普通の和音ではなく、一つ一つ聞くと決してきれいな響きではないが、速度が速いことと、音形優先ということでそれほど厳しくはひびかない。10小節目のチェロのGbはGではいけないのかとか言い出せばきりがないが、ラヴェルがベストと思ったんだからこれが正解なんだろう。

旋律は(おそらく)D minor から Bb minorを経て、C# dorianに向かっていく。

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15小節目からは、上3声は伝統的な三和音の第一転回形となり、C9に収束する。

AからF#、AからD#という並行を繰り返して、最初のテーマの繰り返しに落ち着く。

このあと、またまた不思議な和声の扱いが出てくるのだが、本日はここまで。