ラヴェルの美しいピアノソロの佳品でありますが、和声的にはおいしいところが盛りだくさんであります。最初からしてEMajor9とAMajor7の交代でもちろん9thも和音構成音として扱われ、7thも機能的には書かれていません。
3小節目はAMajor7とD11の交代で、C#がなんの断りもなくCになってしまい、和音は機能から離れて色彩的に扱われています。続く4小節目もD11からBb11 G#11 E11 C#9b11という7thコードの短三度ずつの並行降下があります。
6小節目では、同じく7th和音のBb G# F# F という順次並行下降がみられますが、これをメロディの全音音階二種類とうまく組み合わせています。