Jun Yamamoto 音楽を語る

クラシックのおいしいところをつまみぐい http://jun.la.coocan.jp

Jun Yamamoto "3 Arabesques for String Quartet" (1)

5月に初演する拙作、「弦楽四重奏のためのアラベスク」。こちらが、プログラム・ノートになっております。まず第一楽章ですが、================第一楽章 Correntemente 波打ちながら連続する16分音符6つを単位とする流れを中心として、これに附点8分音符お…

20世紀音楽の始まり

ドイツロマン派の終わりはどこなのか。ワーグナーのパルジファルが1882年、ブラームスの最後の交響曲が1885年である。ワーグナーは1883年に死に、ブラームスは頑張ったが、1897年に死んでいる。シェーンベルクが「浄夜」を書くのが1899年、まさに20世紀の前…

Satie Gnossiennes No.5

www.youtube.com 要するに一聴、さまようのである。しかし、よく見てみると必ずしも形式がないわけではない。コード進行は、 [1] G C Am Em G D Bm Em D Bm [2] E7(13) * F#m/A E7 F#m/A E7 * G D G Bm Em A7 *Bm/D [2'] E7 * F#m/A E7 *F#m/A E7 G D […

Jazz A Capella Group "Accent"-Vocal Group History and Styles

アカペラグループのスタイルの解説つきのショーケース。大変参考になります。 www.youtube.com "Accent"のページはこちら。 www.patreon.com 一つずつ、勉強させてもらおう。 これは割合ストレートですね。C7の次にF#7が来るのは所謂裏コード(増4度上)です…

Prokofiev Violin Concerto No.1 Movt.3

Digitalian's Alchemyで取り上げられていたプロコフィエフのヴァイオリン協奏曲第一番。終楽章の第一主題を取り上げてみたい。音はこちら。 主題の4小節目にGm の和音からハープとともにBbm7に入るのがなんとも魅力的で、大変プロコプロコした(?)ところだ…

Dvorak String Quartet No. 13 Op. 106 Movt.3

ハイメラン/アウリッヒの「クヮルテットのたのしみ」を読んでいる。自分では弾けないのでわからないが、確かにこれは弾きにくそうだ。ドヴォルザークの弦楽四重奏曲第13番作品106の第3楽章。Un poco meno mossoのところの第二バイオリンのダブルストップ。…

Haydn String Quartet No. 64-5 "Lark" Movt. 1 (2)

ハイドンの弦楽四重奏曲、通称「ひばり」の第一楽章の35小節目。音はこちら。 これはハイドンの発明じゃないかと思うのだが、長二度でぶつけた2音(赤の枠で囲んである)から始まるパッセージだが、基本的に第一バイオリンは順次上行して、つぎつぎと転調し…

Haydn String Quartet No.64-5 "Lark" Movt. 4 Finale

ハイドンの有名な弦楽四重奏曲、通称「ひばり」の第4楽章フィナーレですが、「これぞ掛留音」という見本のようなところがあるので、引用します。57小節目からですが、第一バイオリンと第二バイオリンが交互に掛留音とその解決を見せてくれます。 56小節目の…

Mozart Piano Concerto No.23 K 488 Movt. 2

モーツァルトの23番のピアノコンチェルト。イ長調。もともとモーツァルトのピアノ協奏曲は名曲ぞろいなのだが、わけても終わりのほうの数曲はすごいですよね。ピアノも美しいが、オーケストラも精妙で、とりわけ木管楽器の扱いは素晴らしい。 この曲の第二楽…

Schubert Piano Sonata No. 20 D 959 post.

某所で話題になったシューベルトの最晩年のピアノソナタである。弦楽四重奏第15番にも執拗な固定音程のペダルとでもいったものが見られるが、この曲では、調性すら危うくなりほとんどコントロールを離れてしまっているように聞こえる。 第一楽章の285小節目…

椎名林檎「おとなの掟」TVドラマ「カルテット」主題曲

TBSーTV火曜ドラマ「カルテット」の主題曲、椎名林檎さんの「おとなの掟」は歌詞といいメロディといい、名曲だと思います。Videoもよくできていますよね。 思わず、コピーしてしまいました。例によって4声体にして、コードネームを振ってあります。音はこち…

Ringo Shiina "Otona no Okite" Theme for the TV series "Quartet"

TBSーTV火曜ドラマ「カルテット」の主題曲、椎名林檎さんの「おとなの掟」は歌詞といいメロディといい、名曲だと思います。Videoもよくできていますよね。 思わず、コピーしてしまいました。例によって4声体にして、コードネームを振ってあります。音はこち…

演奏家に必要なものの優先順位(Hierarchy of Needs for Musiciansの邦訳)

次のページを訳してみました。 Musicians' Hierarchy of Needs graphs - Classic FM おまけ。

ショーターとハンコックから、次世代のアーティストへの公開レター(非公式勝手訳)

Open letter by Wayne Shorter and Herbie Hancock (原文および対訳ー勝手訳 by Jun Yamamoto) -------------------------------- To the Next Generation of Artists, 次世代のアーティストへ We find ourselves in turbulent and unpredictable times. 荒…

Liszt Etudes D'Exécution Transcendante, S 139 - 4. Mazeppa

リストの曲はなぜあんなにつまらないのか。 たとえば、超絶技巧練習曲の第3曲「マゼッパ」。一連の曲の中ではマシだと思うが、例えば出だしのところ。 最初の部分はピアニストはいろいろ工夫して意味ありげに弾くが、単なる減七の和音の連続であり、半音ずつ…

Rachmaninoff Rhapsody On A Theme Of Paganini, Op.43 - Variation 11

ラフマニノフのおそらく最高傑作である、パガニーニの主題によるラプソディー作品43。第11変奏は、アルペジオ主体のほんの一瞬で終わる変奏なのだが、最後の部分が気になっていた。おそらくピアニストはこの部分を含め、まるっと記憶してしまうのだろう…

Brahms Piano Concerto No. 1 D moll Movt. 1

ブラームスのピアノ協奏曲第一番というのは、ずっと敬して遠ざけてきたところがある。 なんと言っても1857年完成だから、ブラームス弱冠22才。暗い情熱にあふれかえっていて、到底消化できない感じがしていたからである。 それが、やっとじっくり聞いてみよ…

Grieg Piano Concerto Movt. I (2)

グリーグのピアノコンチェルトの第一楽章のカデンツァのところ。 DmからE7の動きは原調のイ短調、次のGm7からA7の動きは下属調のニ短調になっている。E7にはいる直前のD#の音は倚音でEに解決する。A7の直前のG#も倚音でAに解決する。 次のBbの和音は、イ短調…

Tchaikovsky Piano Concerto No.2 Movt. I

あの印象的な第一番にくらべて、演奏機会の圧倒的に少ない、気の毒な曲である。CDも出ているが、第一番が数え切れないのに対し、ごくわずかである。 作曲の経緯などはWikipedia に詳しいので省略するとして、第一楽章の最初のテーマだが、私は長年勘違いして…

Mozart Piano Concerto No. 24 c moll KV.491 Movt. 1

この曲の冒頭は絃楽器とファゴットのユニゾンなのだが、転調が多く、これをソルフェージュで初見視唱の課題に出されたらつらい。音はこちら。 単旋律で聴いていると40番交響曲の第4楽章にもそういうところがあるが、ほとんど12音音楽である。番号を振っ…

"Love Is Over" by Kaoru Ito arranged by Akihisa Matsuura

昭和歌謡の名曲、欧陽菲菲さんの絶唱で有名な「ラブ・イズ・オーバー」をJUJUさんがカバーしているのだが、これの編曲者が松浦晃久さんで、そのリハモナイゼーションがチャーミングなので、コピーしてみました。音はこちら。 最初の部分はほとんど原曲を忠実に…

Saint-Saens "La Cynge" from "Le carnaval des animaux"

いまさらながらの「白鳥」である。サン=サーンスの曲の中でも一番聞かれているのではないだろうか。おびただしい編曲があるし、アンコールなどでの演奏機会も多いだろう。 シンプルな一息の旋律。特に形式もなく、転調を経て冒頭部分がもどってきてすんなり…

David Foster "The Best Of Me"

David Fosterの音楽は常にリッチでキャッチーで、聴く人をそらさない魅力をもっている。この曲は最初オリヴィア・ニュートン=ジョンとのデュエットで発表され、"David Foster"という題名のアルバムに入っている。ここではアルバム"The Best of Me"のソロバ…

Hall & Oates "Kiss on my list"

気になるコード進行というものがある。どうなっているんだろう、と思いながら長年放置してあったりする。耳のいい人は楽譜に印刷されたように聞こえているんだろうが、こちらはなかなかそうはいかない。なんどもピアノで確かめて、ああそうだったのか、とい…

Sibelius String Quartet op. 56 "Voice Intimae" Movt. 2

これを最初に聞いたときはびっくりしました。楽譜はたしかにイ長調らしいのですが、機能的な和声を書こうという意思はまったくないし、対位法的に書こうという意思もみとめられない。絃楽器で勢いよく演奏されるとなんとなく納得してしまいますが、そうとう…

"serious" music?

最近は「現代音楽」という言葉がはやらなくなった。確かに、60年代ならともかく、21世紀に入って、シェーンベルク以降の西洋音楽をまとめて「現代音楽」というと幅が広すぎるということもあるだろうし、もともとcontemporary musicの訳だろうから、現代に広…

Mariya Takeuchi "Genki Wo Dashite" 竹内まりや 「元気を出して」

竹内まりやさんの「元気を出して」はもともと薬師丸ひろ子さんに書いた曲だが、まりやさん本人のカバーバージョンがあり、そこでは最後のコーラス部分に薬師丸さんが参加している。 このコーラスが秀逸なので、採譜してみた。音はこちら。 実に美しい対旋律…

Mariya Takeuchi "Konya wa Hearty Party"  竹内まりや「今夜はHearty Party」

竹内まりや featuring 木村拓哉 の「今夜はHearty Party」である。このdanceable tune はバークレーメソッドのお手本のようなコード進行になっているので、解析(というほど大げさなものではないが)してみたい。 Bbメジャーの曲だが、ところどころでスパイ…

Brahms Symphony No.1 Movt. 1

ブラームスの第一交響曲冒頭。つかみはばっちりですよねぇ。ブラームスが何年も考え抜いたんだから当然といえば当然ですが。この部分は順次進行に伴う、掛留音と偶成和音の嵐であります。rが掛留音、四角く囲った部分が、必ずしも機能的ではない、経過音の…

Tchaikovsky Symphony No.6 (2) Movt.3

チャイコフスキーの悲愴を取り上げるのは「私の記憶がたしかならば」二回目。第3楽章のブライトコプフの楽譜で練習番号Dの部分。 同じ音形がバスの上で、バイオリン、クラリネット、ビオラ、ホルンと受け渡されるのですが、ちょっと変わった響きになっていま…