Jun Yamamoto 音楽を語る

クラシックのおいしいところをつまみぐい http://jun.la.coocan.jp

Michel Legrand "You must believe in spring"

もともとルグランが映画のために書いた曲で、サウンドトラックでは「マクサンスのうた」となっている。ジャズ好きにはビル・エヴァンスの名演の方が馴染み深いだろうと思うが、要はII-Vの繰り返しで、特にこれという工夫はない。 曲全体は(この譜面では)一…

General Purpose "Happy Birthday Fughetta for Celebration"

ハッピーバースデイの旋律が頭にこびりついて離れないので、フゲッタを作りました。適当にご活用ください(何に 音はこちら。

Ravel "Le tombeau de Couperin" No.2 Fugue

ラヴェルのクープランの墓はどこをとっても発見の泉なのだが、この2曲目のフーガはどうも影が薄い(当社比)。美しいのは間違いないのだが、「フーガ」といわれたときに「これ、フーガかぁ?」という気持ちがぬぐえない。実際、オーケストラ版には入ってない…

Mozart Piano Concerto No. 26 1st Movement

モーツァルトの26番のピアノコンチェルトの第一楽章の178小節目に、ちょっと変わった響きの処理がある。赤で囲んだ部分の、DとCの長二度でのぶつかりが面白いのだが、これはどう考えたらいいのか。 結論としては、ここは本来イ長調で、3拍目はB7で、これはイ…

Movie "10 Miniature Canons" on YouTube

十の小カノン集、YouTubeにアップロードしました。 youtu.be

10 Miniature Canons

最後の9度の二声のカノンも完成しましたので、これで一応、ゴールトベルク変奏曲と形だけは同じ9個のカノンと、一つの螺旋カノンが完成しましたので、まとめました。 Jun Yamamoto's Written Music の一番上に、音と楽譜をアップロードしましたので、ご興味…

Canon at Octave

同度のカノンを作るのが難しいということは当然、オクターブのカノンも作りにくい。これもかなりムリムリなところもあるけれど、直しきれませんでした。音はこちら。

Canon at unison

同度のミニカノン、やっとできました。同度のカノンは難しい。一応ウロボロスタイプになってます(最後まで忠実なカノンにしてある)。ソプラノをアルトが追いかけ、バスは自由声部です。音はこちら。

Bach Goldberg Variations 3. Canone all'Unisono

同度のカノンは作りにくい。「カエルのうた」とか"Row Row Row Your Boat"式の和音が変わらないようなものはともかくとして、対位法的なカノンを書くのは難しい。 大バッハはゴールトベルク変奏曲で、同度のカノン(第3変奏)とオクターブのカノン(第24変奏…

Chopin Étude Op. 10, No. 12

みんな大好きショパンの「革命のエチュード」であります。84小節のドラマ。実際は革命とはなんの関係もないらしいですけど。 左手の16分音符は、ほぼスケールか半音でのアプローチで出来ているので理論的にはそう難しいところはないと思います。 非和声音に…

Miniature Vortex Canon

大バッハには足下にも及ばないが、音楽の捧げ物にある、無限上昇カノンを真似して、小さなモデルのようなカノンを作ってみた。大バッハに敬意を表して、三声でソプラノが自由声部、下二声がカノンになる形を踏襲した。バッハのものは8小節もあって、長二度ず…

J. S. Bach The Music Offering Canon 5 a 2

「音楽の捧げもの」から5度のカノン。上声はフリードリッヒ大王のテーマの変形で、その下にニ声の5度のカノンが形成される。バッハが書いたのは下の譜面だけで、一種の謎かけになっている。 下の段に二つの音部記号が書かれており、最初のヘ音記号はあそのま…

Tchaikovsky Symphony No.5 2nd Movt.

みんな大好きチャイコフスキーの第5交響曲の第二楽章。49小節目からのひとくだりですが、ここだけでもアイデアが豊富に詰まっています。音はこちら。 例によって、主調のDから下降するバスラインは8小節めの頭までひたすら下降していき、次は2小節これを取り…

Schönberg Kammersymphonie Nr. 1 op.9

シェーンベルクの室内交響曲は前にも齧ったが、もう一度。練習番号77、viel langsamerになるところ。 この曲全体が、完全4度の積み重ね和音のスタディといった趣ですが、ここでは完全4度重ね和音を通常の3度重ね和音に接続するという例を見ることができます…

気になるラジオCM 新宿★合会計事務所さん

ラジオで流されている新宿★合会計事務所さんのCMが気になってしょうがない。具体的にはBGMで流れるヴァイオリンの旋律なのだが、 コードネームは私が便宜的につけたもので必ずしもこの通りではないと思うのだが、この14小節目のEb がすごく気になる。書いた…

島袋優「おもいでに捧ぐ」

この曲、歌詞(岩里祐穂)は「男の見果てぬ夢」みたいな感じですが、歌として大変よくできていると思います。下に一番の歌詞を示しますが、この「呼ぶけれど」のところが、「世界が開けるような感じ」がするのですが、これがIV度へのII-Vアプローチで、しか…

Mussorgsky "Pictures at an Exhibition" 1. Gnomus

ムソルグスキーの展覧会の絵の2曲目のGnomus(小人)の終わりのところはcon tutta forza で一気呵成にvelocissimoで駆け抜ける。右手左手の単音・ニ旋律だけだが、効果的に書いてある。基本的にはこの5小節は主和音のEbmで、あとはコアになる音への修飾に過…

中洲朗・作曲 上柴はじめ・編曲 「ゆうべの秘密」

伊東ゆかりさんの「メモリーズ・オブ・ミー」は2013年にリリースされたセルフカバーを含むカバー・アルバムで、12曲中9曲がDavid Matthewsの編曲、ピアノも弾いてますよというのが売りだが、残りの3曲は上柴はじめさんのアレンジで、「ゆうべの秘密」はその…

Canon at 6th

ミニミニ・カノン・シリーズ、6度のカノン。音はこちら。 アルトから始まり、6度上でソプラノが追いかけます。バスは自由部です。これで、2度から7度まで出来たので、あと1度と8度で一応揃う。うーん、どうでもいい話だがやっぱりそろえないと気持ち悪いかな…

Bartok String Quartet No.5 Movt. 2

第二楽章は上からと下からと離れた音域から徐々に歩み寄ってきて始まる。そのあと、もろに協和的な三和音が出てくるところ。ただし、第一バイオリンのメロディーラインは原則的に協和音にはならず(青の○で囲んだ音だけ例外)第二バイオリン以下の和音を踏ま…

Bartok String Quartet No.3 Movt. 2

バルトークがベートーベン的完成を達成したといってよい第3番の弦楽四重奏曲であるが(異論はおありと思いますが)、いつもこの第2楽章の終り部分にくると、ここでこのモティーフ(g, g, fis, g)をもう少し積み重ねてフィニッシュしたい、というセンセーシ…

Bartok String Quartet No.1 Movt. 1

バルトークの弦楽四重奏第1番を聞いていると、ドビュッシーやラヴェルのフランス音楽と直接つながっているような印象を受けるところがある。例えば45小節目からの次の部分。音はこちら。 45-46小節目はほとんどモーダルであり、さらに一つ一つの和音…

Silent Night (re-harmonized)

もう師走である。もうすぐ冥途の旅の一里塚である。あーやだやだ。 その前にクリスマスがあるのが(異教のまつりではあるが)救いである。 大昔に作ったニフティサーブのクリスマス企画用のネタをサルベイジしてきた。楽譜をきちんと書いたのは今回初めてな…

Bruckner Symphony No.3 Movt. 1

「不機嫌な姫とブルックナー団」を読んだので、ブルックナー re-visited である。 大御所ワグナーにはウケがよかったのに初演がぼろぼろだったという第3番。確かにところどころワグナーを思わせるところもあるし、後のマーラーを予感させるところもあってな…

Ravel Le Tombeau de Couperin "III. Forlane" (2) (修正版)

RavelのForlaneの続きです。9小節目からで、わかりやすくゆ~っくり弾いたものがこちら。 9小節目からは、まずEmの和音でスタートするものの、いきなり低音でC#のバスを鳴らします。これは将来的には18小節目にG#メジャーに解決しますが(下の譜例)、これは…

Canon at 4th

来年用の曲があったり、テルミンライブがあったりして間が空きましたが、しばらくぶりにカノンを書いてみました。完全4度のカノンです。アルトが(ちょっと低いですが)Gから始まり、ソプラノがCで追いかけます。バスは自由声部です。音はこちら。 短いもの…

Ravel Le Tombeau de Couperin "III. Forlane"

ラヴェルの「クープランの墓」は毎度言っているが、ラヴェルがこの曲のために丸々一つの和声体系を編み出しちゃったといった趣がある。 特にForlaneについては、以前最初の4小節だけ紹介したつもりになっていたが、まぼろしだったみたいだ。(でも楽譜のファ…

Schumann Piano Concerto Movt. 3

シューマンの譜割というか、ポリリズムというか。 ピアノ協奏曲の次の部分だが、譜面を追わずに聞いている一聴衆としては、耳がどうしても和声の切り替わる点を拍の頭と捉えてしまうので、赤で示したように、一拍ずれて二分の3拍子として認識してしまう。青…

八木正夫「目覚め~ネスカフェゴールドブレンドのテーマ」

喫茶店でのテルミン・ライブで、有名なネスカフェのコマーシャルの「だばだー」をやってみようということになり、コピーしてみた。こんな感じ。音はこちら。 コマーシャル音楽の手練である八木正夫さんの傑作である。バロック風で、しかもキャッチー。さすが…

芸術を楽しむにも最低限のリテラシーは必要なんじゃないか、という話。

現代音楽にしても、別に何の予備知識もなしに聞いてもらったってかまわないのではあるが、そこはそれ、ベートーヴェンからワーグナー、ドビュッシー、ラヴェル、バルトークを経て、ストラヴィンスキーにショスタコーヴィチという西洋音楽の文脈を知った上で…