Jun Yamamoto 音楽を語る

クラシックのおいしいところをつまみぐい http://jun.la.coocan.jp

Mozart String Quartet No.15 d moll KV421 Movt. 4

モーツァルトは奇跡のような曲をたくさん遺しているので、奇跡的だと騒いでも仕方ないのだが、この曲もひとつの奇跡のように思う。なかんずく、終楽章はかわいらしい奇跡である。そうとは書いていないが、8分の6のシチリアーナによる変奏曲。譜例に示したのは第2変奏にあたるが、第二バイオリンが大活躍し、細かなダイナミクスの指定とともにリズミカルな大変面白い効果を上げている。因みに、譜例の7小節目冒頭はEb on G で、これはニ短調ナポリの六度である。

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youtu.be

MYM(Masochistic Yellow Medicine) Live at 横浜 Hey-Joe

夕べは、このライヴを聞きに行きました。

日程:2017年6月3日(土)
会場:横浜 Hey joe
Masochistic Yello Medicine (MYM)
Reddyo(Vo & Voice)
稗田 麻実(Pf)
成川 正憲(Gt)
西村 雄介(Ba)
山崎 彰(Dr)

以前、自由が丘マルディグラで聞いたときとはかなり印象が異なります。場所がゆったりしている分、出音はよかったと思います。特に後半のドラム・ソロなど、前回も「かなりまとまりが出てきた」という感想を書いていますが、よく響いていたように思います。細かい音符がきちんとおさまるところにおさまるのがよくわかる。

それと、マルディグラの時は失礼ながら存在感の薄かったギターが、自らのオリジナル曲を3曲も入れるということで、ずいぶん前に出てこられて、一種双頭バンドの様相を呈してきましたね。成川さんのソロで始まって、稗田さんのアコースティックピアノが入ってくるなんていうのは定番ですが、非常に魅力的な響きですよね。ギターは今回は音が太く、前に出てくる感じで大変よかったと思います。いわゆるオーヴァードライブを聞かせた伸びる音ではなく、クラシックギターに近いアプローチをとっておられるのがユニークだと思います。

Reddyoさんのオリジナル曲もよかった。ご自身でも言っておられましたがファンキーなものが根っこにあってお得意なのだろうと思います。だから、オリジナルとかEW&Fなんかはとてもよく合っている。CDでも聞かせていただきましたが、スタジオ録音ではもちろんすべての楽器がクリアに録れているのでいいのですが、Hey-Joeのようなライブハウスではモニター含め苦しいように思います。ただ、稗田さんの曲の(難しい)ラインを裏声で追うのは、サウンドとしては魅力的です。

出音という意味ではローズも難しいですね。マルディグラでもそうでしたが、ローズの音の本来の美しさが上手く通らないのですよね。印象としてはローズとギターとヴォーカルが団子になってしまうような(たとえが悪くて申し訳ないですが)

話は変わりますが、ファンとしてはもっとベースに主張して欲しいですね。ドラムスがあれだけ派手に暴れているのだから(笑)遠慮する必要なし。もっとバリバリいって欲しいところであります。

聴かせていただいたCD(WAHN)は大変楽しく美しいものでした。ライブの音響の問題がにつきまといますが、こればかりは解決が難しいですね。ただ、今回はグランド・ピアノの音がそこそこ通っていたので、アコースティックピアノに多少軸足を移すのも悪くないかも。でもそうすると稗田さんのローズ的な微妙なコードワークはなくなるんですよねぇ。帯に短し襷に長し。難しいものです。"WHAN"はローズの音がキモでしょうが、端的に言えばライブハウス向きでないのかもしれません。

Dvorak Symphony No.9 "From the New World" Movt. 2

超有名曲であるし、アナリーゼもあるのだろうが、自分で参加することに意義がある、というオリンピック精神の下(?)やってみた。

スコアは、臨時記号のつけ方についてあまり統一がとれていない。最大公約数をとって略式のピアノリダクションを作ってみた。(音はこちら

最初の部分はこんな感じになる。

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3小節目のバスのa とcisだが、ファゴットパートではbes とdes トロンボーンパートではa とdes で書いてあり、混乱している。(Berlin: N. Simrock, 1894)

ここはフラット系に統一してみた方がいいかと思って、フラット系に揃えてみたらこうなった。

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この5小節は、まるまるドヴォルザークの発明だと思ったほうがいいのかもしれないが、一応、理屈をつけてみると、赤字で書き込んだようなことになるのではないか。

Db Majorであるという前提をおいて、最初の和音(Fb)はDb Majorの同主短調であるDb minor (des es fes ges as b c )の三度の長三和音 i(III)

二つ目の和音は、Db Majorの2度調であるEb minor の属和音 ii(V)

2小節目頭は、同じくi(III) 後半はDb Major の主和音(主和音にはぜんぜん聞こえないけど)

3小節目頭は、Bbb で、これは同主短調 Db minor の6度の和音 i(IV)。次は自然に(?)4度の和音i(iv)、そして主調であるDb Major の主和音に到達する。

まー、こんな分析しても虚しいですな。これはこれでひとまとまりのドヴォルザークの創作でありますからね。

ついでに、有名な主旋律(「家出」じゃないや「家路」か)も見ておく。

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3小節目の頭まで、バスをdes as で固定してあるのがいいですね。そしてバスが3度あがって、かつas が a になって増三和音になるのが実に効果的。中間部をはさんで、16小節目に至って初めてバスが下降してくる。17小節目はドミナントだが、Ebm7 on Ab あるいは Gb6 on Ab として、導音になる c を隠して、モーダルな感じ。この曲はこの後出てくる中間部を含め、無駄がない名曲ですね。ドヴォルザークは妙に展開部とか動機労作とかしないほうが(ry

 

 

 

Mozart String Quintet No.5 KV593 Movt. 4

ハイメラン=アウリッヒ(中野吉郎・訳)クヮルテットのたのしみ(アカデミア・ミュージック)に付録2として訳者の中野さんの文章がついている。

ヨハン・トストという1755年生まれの音楽愛好家が、WAモーツァルトの弦楽五重奏に勝手な変更を加え、170年間バレなかったという話だ。

詳しくはもちろん上記の本に書いてあるのだが、うかつにもまったく知りませんでした。

だいたいBreitkopfの譜面が今でもトストの改作後のままになっているのだ。

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この部分はこの楽章のメインのモチーフなので、この後何度も出てくる。これは相当な改作であるし、むしろ改竄といったほうがいいだろう。オリジナルは、半音階の下降になっている。

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全然違う。

アマデウス弦楽四重奏団の演奏がYouTubeにあったが、改竄バージョンである。

www.youtube.com

因みに、新しい版での演奏はこちら。Sophia Szokolayという人の第一バイオリンで、トロント大学での演奏らしい。

www.youtube.com

こちらも新しい版というか、オリジナルによっている。James Buswell with Carpe Diem String Quartetというクレジットになっている。

https://www.youtube.com/watch?v=7tXKFycIpsI

 

 

 

Oración del músico (音楽家の祈り)

コロンビアのミュージシャン、DIEGO GALÉ氏のFacebookの書き込みにあった、Oración del músicoを、Google翻訳に手伝ってもらって英訳しました。


8行目のdiscipline以下のところがもうひとつよくわからないが、これは音楽家としては普遍的な祈りであろうと思います。


MUSIC PRAYER


Our father,
Teach me all to listen,
Protect me from false notes,
Easy money and success
At whatever price.
Give me patience to learn,
Wisdom to teach and
Discipline to accept what I have proposed.
May my work always be honored
And that I never lack the
Pleasure to play
Guide me in the path of responsibility.
Illuminates my path,
And that I never lack dedication and
Perseverance to convert
My dreams to reality.

 

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「ドクターX~外科医大門未知子」のテーマ オーケストラ編曲版

TVドラマ「ドクターX~外科医大門未知子」のテーマをオーケストラにアレンジしたものです。

なにしろ病院には縁が深いものですから、いつも興味深く拝見してます。権力争いと「御意」軍団はどこの会社でも見られることで、そういう意味では普遍的なドラマ。そこへ一匹狼のフリーランスの外科医がやってくる。西部劇を思わせるのですが、この沢田完さんのテーマもその辺を上手く表現して、まるで西部劇のテーマのようなかっこよさを漂わせています。

オリジナルは、印象的なメロディーと速度感のあるリフの組み合わせ、ただそれだけといっていいシンプルなものですが、さすがプロの仕事、ドラマの性格に沿ってかっこよさと緊迫感を見事に表現しています。オリジナルはCm-Eb-F-Abというコード進行をかたくなに守り通していますが、ここでは多少変化をつけてみました。でもオリジナルの方がよかったですね。

音はMusicTrackに上げてあります。

Jun Yamamoto:TVドラマ「ドクターX-外科医大門未知子」のテーマ - ミュージック : musictrack

ご参考までに、スコアはこちらです。

「3つのアラベスク~弦楽四重奏のための」初演 5月25日(木)19時開演 JFCアンデパンダン展 すみだトリフォニー小ホール

山本 準作曲「3つのアラベスク弦楽四重奏のための」が初演されます。

 

5月25日(木)19時開演 JFCアンデパンダン展 すみだトリフォニー小ホールです。

 

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山本 準 作品公開演奏 今後の予定

●「曽我部清典×直井紀和トランペット・トロンボーンデュオvol. 1」

2017年7月16日(日) be off 宇都宮市吉野1-7-10 tel. 028-601-2652 開演17:00

2017年7月22日(土) 久我山教会 杉並区久我山2-13-3 tel. 03-3332-9661 開演17:00

トランペットとトロンボーンの二重奏曲 "Fughetta and Scherzo" 初演予定

●2017年7月30日(日)
「こどもたちへのメッセージ in 熊本」
平成音楽大学熊本サテライトステージ 開演 14:00

ピアノ連弾曲「ふわふわのゆめ」初演予定

●2017年11月12日(日)
「越の風2017」
新潟市 だいしホール 開演 14:00

木管五重奏のための"Capriccio" 初演予定