要するに一聴、さまようのである。しかし、よく見てみると必ずしも形式がないわけではない。コード進行は、
[1] G C Am Em G D Bm Em D Bm
[2] E7(13) * F#m/A E7 F#m/A E7 * G D G Bm Em A7 *Bm/D
[2'] E7 * F#m/A E7 *F#m/A E7 G D
[1'] G C Am Em G D Bm Em
[3] C *F G7 *Am/C D7(13) G D7 G D7 *F C
[1] G C Am Em G D Bm Em D Bm
[2] E7(13) *F#m/A E7 *F#m/A E7 *G D G Bm Em A7 *Bm/D
[2'] E7(13) *F#m/A E7 *F#m/A E7 *G D
[1''] G C Am Em G D Bm Em
Gから始まる[1]の部分が4回繰り返されており、緩やかなロンドのような感じである。そもそもこの[1]のテーマが一つも属和音主和音というような古典的な進行を含まず、メロディーも順次的にかつ装飾的で彷徨う性格をもっている。
特徴的なのは、赤字で示した進行だが、属七に、解決しない6度音(13thということもできる)を付加した和音が、バスは「正しく」完全4度上行するのだが、実はバスは次の和音の3度音で第一転回形になっているというパターンである。e.g. E7(13) F#m/A
これが彷徨い感を醸成する。
青字で示したのは、属七が短三度上がって転調するパターンである。e.g. E7 G
*をつけたのが、古典的な和声ではない進行で耳が彷徨うところである。